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第1話

第1の願い
36
2020/02/15 14:00
神様
神様
…えっ!?
神様
神様
まさか、僕のことが見えるの!?
神様
神様
…久しぶりだな、そんな人に会ったのは。
神様
神様
そうだ、これも何かの縁だよな。
神様
神様
そうだ、あの話をしよう…。
これは、ちょっと変わった神と、それによって救われた人たちの、ありふれたような、ありえないような、そんなお話…
〜とある神社の中で〜
カヨ
カヨ
〜♪
神様
神様
カヨちゃん!おはよう!
カヨ
カヨ
あ!神様!おはようございます!
この子は僕が祀られてる神社で巫女をやってくれてるカヨちゃん。今は神社の掃除をしてくれている。カヨちゃんもそう、君たちと同じ…


僕の姿が、見える人間だった。
神様
神様
カヨちゃんいつもありがとね。ホントは僕も手伝えたらいいんだけど…その…。
カヨ
カヨ
気にしなくていいんです!私はこの神社のために仕えられればいいんですから!あ、でも、神様も頑張ってくださいね?
カヨ
カヨ
なんたって今日はお正月。いっぱいお客さん来ますからね!
神様
神様
そうだね。
カヨ
カヨ
あ、そろそろ開けますよ!
神社を開ける時間になり、カヨちゃんが鍵を開ける。その直後、待っていた人がドッと境内に入ってきた。
カヨ
カヨ
あ、ほら!神様は位置について!
神様
神様
了解!
僕は本殿の中に入る。しばらくして、僕の目の前には行列ができた。そして賽銭箱の中にお賽銭を入れると、皆思い思いの願いを唱えてゆく。
神様
神様
よし、みんなの願い、受け取ったよ…。
でもひとつ勘違いしないで欲しいことがある。確かに僕は神だ。それにある程度の運勢の操作はできる。でもね…



いや、そこから先は、今話すことではないな。
清子
清子
ぜぇ…ぜぇ…はぁ…はぁ…。
神様
神様
お?
1人の女性が、息を切らしてこちらに来る。
清子
清子
どうか…
清子
清子
……………
女性はなにか呟いた後、僕の前から去っていった。
…え?神様なのに願いを聞いてないだって?心配はいらないさ。そのための道具はちゃんとある。
神様
神様
えーと…確か…
僕は和紙を取り出した。この和紙は、人が見るとそれこそただの紙にしか見えないが、僕の目を通してみると、参拝客の願い事がはっきりと書いてある。要は"神の力"ってとこか。
神様
神様
えっと…さっきの人の願いは…








私に人並みの幸せを、笑顔をください。

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