前の話
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これは、ちょっと変わった神と、それによって救われた人たちの、ありふれたような、ありえないような、そんなお話…
〜とある神社の中で〜
この子は僕が祀られてる神社で巫女をやってくれてるカヨちゃん。今は神社の掃除をしてくれている。カヨちゃんもそう、君たちと同じ…
僕の姿が、見える人間だった。
神社を開ける時間になり、カヨちゃんが鍵を開ける。その直後、待っていた人がドッと境内に入ってきた。
僕は本殿の中に入る。しばらくして、僕の目の前には行列ができた。そして賽銭箱の中にお賽銭を入れると、皆思い思いの願いを唱えてゆく。
でもひとつ勘違いしないで欲しいことがある。確かに僕は神だ。それにある程度の運勢の操作はできる。でもね…
いや、そこから先は、今話すことではないな。
1人の女性が、息を切らしてこちらに来る。
女性はなにか呟いた後、僕の前から去っていった。
…え?神様なのに願いを聞いてないだって?心配はいらないさ。そのための道具はちゃんとある。
僕は和紙を取り出した。この和紙は、人が見るとそれこそただの紙にしか見えないが、僕の目を通してみると、参拝客の願い事がはっきりと書いてある。要は"神の力"ってとこか。
私に人並みの幸せを、笑顔をください。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。