あなたside
今日は…………。
バレンタイン。
朝から、テレビでバレンタイン特集をしていて、それを見るたびに胸がドキドキしてくる。
昨日、失敗しながらも作った生チョコ。
もう、作り方さえ忘れてしまったけど、この中に確かな気持ちはこもってる。
この間自分の部屋であるものを見つけた。
"私の忘れちゃいけないこと"
っていう、字が書かれたノート。
多分記憶が完全に無くなる前に書いたものだと思うけど……。
そのなかに書いてあった、文章を見て驚いた。
字が涙で滲んでて、字体もぐちゃぐちゃで簡単に読めるものでは無かったけど…………。
記憶があるときの私の、決意がかかれていたもの。
記憶がある頃の私に、"ありがとう"といいたい。
また、思いが繋がると良いな。
ジン"くん"…………(笑)
貴方には感謝してもしきれなくて、記憶はないけれど貴方との日々を想像して勝手に胸が熱くなって。
貴方から離れることは……私には出来ない。
私の側に居てくれてありがとう。
黙ってくれててありがとう。
そして、辛い思いをさせてごめんね。
そう、伝えられたら良いな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!