第23話

エピローグ
184
2022/02/11 08:25
あれから2年後。
私は今、人気絶頂の遊園地にいる。
ここで彼氏────冬馬と待ち合わせをしていた。
今日は付き合った記念日として遊園地デートをすることになったのだ。

そろそろかな?
辺りをきょろきょろ見回しながら今に来るかと待ち続けた。
_羽瀬@はせ__冬馬@とうま_
羽瀬はせ冬馬とうま
明日香!
走りながらこっちへやって来る。
付き合い始めた時から冬馬は私のことを呼び捨てで呼ぶようになった。
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
やっと来たー。5分遅刻
それに補うように私はコンタクトデビューを果たした。冬馬が「眼鏡無しの方がいい」と言うものだから、高校に入学してからコンタクトに変えようと思ったのだ。

案外、コンタクトも悪くない。
前まではあれほど怖いと恐れていたのに、いざ付けてみると全くだった。
_羽瀬@はせ__冬馬@とうま_
羽瀬はせ冬馬とうま
ごめんね。さぁ、入ろ
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
うん
手を繋いで歩く。彼の手がひんやりと冷たい。
確か、あの時も今と同じくらいに気温が低く、寒かった。───冬が訪れた合図だ。
***
チケットを購入し、園内へ入る。
家族連れや友人同士で遊びに来ている人が多く、園内は賑わっていた。

私達も便乗するように最初はジェットコースター、次はコーヒーカップに乗ったりと様々なアトラクションを楽しんだ。
時間も午前から午後へ変わり、一度どこかで昼食を済ませる。
午後からは怖いと評判の高いお化け屋敷に入り、その後はメリーゴーランドなどに乗った。

しばらくしてから休憩をとってキッチンカーで販売されているクレープを買う。近くのベンチに座ってシェアしながら食べた。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、気づけば午後6時前になっていた。
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
観覧車乗ろっか
_羽瀬@はせ__冬馬@とうま_
羽瀬はせ冬馬とうま
そうだね
カラフルなゴンドラが目立つ観覧車に向かった。
店員さん
2名様ですか?
_羽瀬@はせ__冬馬@とうま_
羽瀬はせ冬馬とうま
はい
同時に私も頷く。
恐らく20代前半であろう若い女性の店員さんはにっこりと笑い、優しい声で「少々お待ちください」と言った。

少し時間が立って高校生のカップルであろう2人がゴンドラから降りてきた。
店員さん
どうぞ
さっきのゴンドラに案内される。私が先に入り、続いて冬馬が中に入ってきた。
店員さん
それでは、お気をつけて!
その言葉を聞いた直後、ドアが閉じる。
ゆっくりとしたスピードで少しずつ上っていく。

お互い無言のまま時間だけが過ぎていく。
もうすぐで頂上。そのまま私達を乗せるゴンドラが空への距離を縮める。あと少し、あと少し...。
その時、彼が口を開いた。
_羽瀬@はせ__冬馬@とうま_
羽瀬はせ冬馬とうま
ねぇ、明日香
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
何?
しーんと静まり返る。
すると観覧車に乗っているのにも関わらず、立ち上がった。揺れないか心配になる。

私に近づく。顔と顔が当たるのではないかというほどの距離感。ドキッとした。
_羽瀬@はせ__冬馬@とうま_
羽瀬はせ冬馬とうま
好き...いや、愛してる
直後、私の口に”柔らかいもの”が触れる。
目の前にはドアップされた冬馬の綺麗に整った顔。
───これが、キス。愛し合う同士が行うこと。

今、私達は観覧車の頂上でキスをしている。

しばらくしてお互いの唇が離れる。そして───。
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
私も、愛してる
もう一度、キスをした───。

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