第19話

”そんな展開にはなりません。”
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2022/02/11 08:18
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
え...?
驚きのあまり言葉を失う。

何故、今彼がここに居るのか。
今日は冬馬と会う日。それなのにも関わらず、どうして───。
_羽瀬@はせ__凌斗@りょうと_
羽瀬はせ凌斗りょうと
来ちゃった
てへっと舌を出す。

何故、凌斗がこの場に?
凌斗にはひと言も教えていないはず。冬馬と会うとは言ったが、待ち合わせ場所までは言っていない。
ならば、冬馬が───?
_羽瀬@はせ__冬馬@とうま_
羽瀬はせ冬馬とうま
あ、僕は違うよ
私の心を読んだかのように答える。

だとすれば、どうやって...。
_羽瀬@はせ__凌斗@りょうと_
羽瀬はせ凌斗りょうと
冬馬の後を追った
...凌斗、まるで探偵みたいね。
案外子供っぽい一面があると思うとくすっと笑みが零れた。
_羽瀬@はせ__凌斗@りょうと_
羽瀬はせ凌斗りょうと
なに笑ってんだよ
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
別にー。
───それより、この格好どうかな?
変でも笑わないでね。
折角だ。凌斗もいるし、この機会に今の姿を見て評価してもらおうかと考えた。

おかしくないといいんだけど...。

しばらく沈黙が流れる。
やっぱり変だったのかな?

2人とも、ただじーっと見つめているだけ。
こんなにも見られていると思うと恥ずかしくて堪らない。早く元の服装に着替えたい...。
すると、今まで黙っていた冬馬と凌斗が同時に口を動かした。
_羽瀬@はせ__冬馬@とうま_
羽瀬はせ冬馬とうま
可愛い
_羽瀬@はせ__凌斗@りょうと_
羽瀬はせ凌斗りょうと
可愛すぎ
思ってもみなかった言葉に顔が赤くなる。
自分でも分かるくらいに熱い。まるで湯気が出ているのではないかと言うほどに。

どうして2人は平気で言えるのだろう。
1人顔を赤らめている私からすればただ単に不思議な話だった。
_羽瀬@はせ__冬馬@とうま_
羽瀬はせ冬馬とうま
あ、そうだ。眼鏡外してみてよ
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
絶対嫌だ
_羽瀬@はせ__冬馬@とうま_
羽瀬はせ冬馬とうま
えぇ、なんで?
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
見えづらくなる
私は幼い頃から視力が悪く眼鏡をかけ続けていた。
今になって外されると視界がぼやけて私生活に支障が出てしまう。だから外すことはできない。

そもそも外したところで何になるのか。
「眼鏡を外したら美少女」というケースは、漫画やアニメの世界のようには通用しない。
もしかしたら彼らはそれを期待して叶わぬ夢に酔っているのかもしれない。
_羽瀬@はせ__凌斗@りょうと_
羽瀬はせ凌斗りょうと
今のうち!
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
ちょっ...!?
油断をしている隙に眼鏡を取られた。
「油断大敵」とはまさにこの事なんだと実感した。


それにしてもやばい。一気に見えづらくなった。
何処に凌斗と冬馬が居るのかは認識できるが、はっきりとまでは見えない。

視力が悪いって本当に不便...。
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
返して
_羽瀬@はせ__凌斗@りょうと_
羽瀬はせ凌斗りょうと
やーだね。せっかく可愛いのに
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
えっ!?
_羽瀬@はせ__冬馬@とうま_
羽瀬はせ冬馬とうま
うん、もっと可愛くなった。
これからは眼鏡無しで生活してよ。
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
それは無理!!
激しく否定する。
今でも見えづらくて苦労するというのに、眼鏡を外した状態で過ごすとなるともっと疲れる。

一刻も早く返してほしい。お願いだから。
_羽瀬@はせ__凌斗@りょうと_
羽瀬はせ凌斗りょうと
しばらくは俺達が預かっておく
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
嘘でしょ...。私、コンタクトだけはしたくなかったのに...。
_羽瀬@はせ__凌斗@りょうと_
羽瀬はせ凌斗りょうと
いや、誰も「コンタクトにしろ」とは言ってないだろ?
_宮原@みやはら__明日香@あすか_
宮原みやはら明日香あすか
え...?
ならば、一体どうしろと───?

そう疑問を抱くばかりだった。

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