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第1話

いち
106
2018/06/19 02:36
日菜子~
電車の時間だよ~
高田日菜子
高田日菜子
分かってるよ💢
行ってきまーす
私は家を出て走った。
先月、隣町に引っ越して、学校と家が遠くなって、私は電車通学になっちゃった。
時間に縛られるのって本当に最低。
もっと自分のペースで生きていたいんだけどな…
カンカンカンカン…

踏切が降りる。
やばい!!間に合わない!!
降りている棒をくぐって、踏切の向こう側へ行く。
悪いことだって分かっているけど、間に合わないっ!!
なんとか、ギリギリセーフで電車の中に入った。
都会の電車はかなりの満員。
降りる駅まで20分以上ある。
ずっと立っているのは正直辛い。
我慢我慢。
私は足のあたりに嫌な感触を感じた。
誰かに触られてる?
こんなに人がいたら偶然当たっちゃうこともあるよね...
まさか痴漢じゃないよね?
でも感触はだんだん上に向かって行って、1番触られたくないところにまで行った。
気持ち悪い…
抵抗することもできず、ずっと我慢していた。
気持ちいいでしょ?
高田日菜子
高田日菜子
...まぁ...ったく
や...めて...くっ...ださい
僕は気持ちいい
だからやめないよ
感触はすごく気持ち悪く、今すぐ叫びたいぐらいだった。
でも叫ぶ力は残っていなかった。
高田日菜子
高田日菜子
....んッ....はァ....
感じてるじゃん。
素直になれよ
高田日菜子
高田日菜子
い....や...だァ…
私の目の前にスマホの画面がきた。

「助けて欲しい?」

そう書いてあった。
私は縦に首を振った。
おいオッサン何やってんだよ
私の体から嫌な手が離れた。
なにもしてないけど?
最低だな。こいつずっと我慢してたの俺見てたんだけど?
痴漢をしていた男はなにも言わない。
助けてくれた男は痴漢をしていた男の右の頬を拳で殴った。
オッサンその格好だと会社に行くのかな?
今すぐその会社に電話しろ。
今日から仕事やめるって
あぁ?僕は何もしていない!!
だから会社もやめないよ
今日はこの後警察に行く
当たり前だろ?
ここに被害者もいて逃げられるとでも思ってた?
次の駅は〇〇~〇〇~
お出口は右側です
逃がさないからな。
助けてくれ男は痴漢男の腕をぎっしりつかみ、〇〇駅で降りた。
私もそれについて行った。
痛い痛い痛い
うるせぇ
つべこべ言うな
交番についてから事情を聞かれ、しっかりと話した後、痴漢男は逮捕された。
もうあの男の顔も見たくない。
そう心から思いながら助けてくれた男と一緒に交番を出た。
高田日菜子
高田日菜子
あ、あの...
なに?
高田日菜子
高田日菜子
ありがとうございました
うん
どういたしまして
高田日菜子
高田日菜子
名前聞いてもいいですか?
中島優希
中島優希
中島優希
そこの高校に通ってんだよ
高田日菜子
高田日菜子
そうなんですか
中島優希
中島優希
あんたは?
高田日菜子
高田日菜子
高田日菜子です。
そこの中学校に通っています
中島優希
中島優希
中学生からあんな体験大変だな
高田日菜子
高田日菜子
はい....
中島優希
中島優希
俺が守ってやる。
安心して電車に乗っていいぞ👍
中島さんの顔を初めて見た。
すっごくイケメンだった。
芸能人で言う、ジョングク似
高田日菜子
高田日菜子
あ、ありがとうございます
中島優希
中島優希
じゃあ、既に遅刻しているから。
気をつけろよ!!
高田日菜子
高田日菜子
はい!!
中島さんは颯爽と高校へ走っていった。
足が速い。
すっごく爽やかで少女漫画に出てきそうな感じ
また会えたらいいな。

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