~あなた~
エントランスに誰か来た時の音が流れた。
・・・誰だろ、チエさんかな、
めんどくさいけど、無断で休んだこと、謝らなきゃいけないし、
お店のようすも聞きたかったから、起き上がって出た。
「あなたちゃん?」
「亜嵐だけど、、」
インターホンから聞こえてくるのは間違いなく亜嵐くんの声。
ほんと、なんで、?
なんでうちに、?
チエさんに聞いたんだろうな。
でも、なんで、?
「んー、話すから、一旦開けてほしいな。」
・・・うちに来るんだ、、
えっ!?待って待って、
片付けなきゃっ!?
どうしよ、どうしようっ!
え、無理だよ、! そんなに広くないし、散らかってる!!
「あなたちゃーん?」
よし、開けてから、ダッシュで片付けよう。
ボタンを押して、ダッシュ。
時間との戦いだ。
ボタン、勢いよく押して、リビングに戻るけど
具体的的に何をしていいかわからない。
ていうか、芸能人が、推しが家に来るって、、
これは夢なんだろうか。
ショックからの幻覚なのだろうか。
・・・急に来るってことは、、やっぱりあの話題、、?
居留守のふりしておけば良かった、
\ピンポーン/
このまま開けないでいたら、亜嵐くんは帰ってくれるのかな。
でもさっきは出ちゃったからな。
どうにかこの状況を逃れる選択肢は、、、っ
「あなたちゃーん?」
・・・・・・ない、っ
はぁ、どうしよう、
ガチャってドアが開いて、ほんとに久しぶりに見る亜嵐くんの姿。
スマホとかテレビとかで見るのと違って、神のオーラを持ってるの。
いや、何で見ようが神なんだけど、、
・・・大丈夫じゃないけどね。
とりあえずリビングに通して、座って貰う。
・・・亜嵐くんのせいなのに、、
・・・そんなこと言わないで、、っ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。