~亜嵐~
三分置きに出ちゃう、この言葉。
1週間前にあなたちゃんの家に行ってから、まだ1度も連絡をとっていない。
この前の様子だと、絶対SAKIさんのこと勘違いしてる。
誰にも言わない、だってさ。
・・・違うのに、、
後ろから聞こえるそんな会話。
お店に来なくなってからみんな連絡してるみたいなんだけど、
涼太曰く、返信は ごめんなさい。のみらしい。
・・・俺も連絡したいけど、正体不明のプライドが邪魔してできない。
俺があなたちゃんの家に行って起こったことは、みんなにも言ってあって、
俺のせいじゃないって言ってくれた。
・・・絶対そうだけど。
しばらくして、撮影が始まる。
だんだんと終わりに近づいてきたこの撮影は、
来月号にはもう載るらしい。
にしても、長がったなぁ。
・・・これが終わったらあなたちゃんともお別れ、?
もう会えない、? ・・・よな、
・・・まじであなたちゃん大丈夫かな、
俺のせいだ、
もっと気をつけてれば、、
甘いなぁ、俺。
どれだけあなたちゃんを傷つけただろう。
迷惑ですっ、って叫ぶあなたちゃんの声が離れない。
あぁもう、集中しろよ、、っ
集中力のないまま撮影は終了。
メンバーにも迷惑かけるなんて、情けねぇ、、
違うよ、
全ては俺のせい。
俺の不注意。
って気づいてるのに、
弱い俺は逃げることしかできない。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。