~亜嵐~
泣いてしまったあなたちゃんが出ていったドアを見つめ、
呆然としていた。
・・・完全に怒ってるよね、??
あぁもう、先週声かけなかったらこんなふうにならなかったのに。
もう1回やり直したいわ、
てか、俺のせいでメンバーにも迷惑かかってね?
このままあなたちゃんが俺の事を嫌ってたら、
撮影でも何かしら上手くいかないことが出てくる気がする。
せっかく仕事貰ってんのに、それをこなせないでどうすんだよ、
てことで、、
・・・あなたちゃんと仲良くなるしかない。
ガチャ🚪
丁度いいタイミングで戻ってきた2人。
俯いてそう謝るあなたちゃんの目は、少し腫れている。
大人しく椅子に座り、
5人で向かい合う形になる。
ただ、あなたちゃんは編集長の方しか向かない。
本当にこっちを見てくれない。
・・・結構傷つくよ、?(笑)
会議では、撮影日の変更が少しあって、それを伝えられたのと、
もしかしたらファンが来るかもしれないから気をつけて、との事だった。
俺とあなたちゃんは、ほとんどはただ話を聞くだけだった。
特にあなたちゃんは、ずぅっと俯いているだけ。
ドアを開けて出ていくHIROさん、編集長と社員さんを見送り、
出ていこうとするあなたちゃんに声をかけた。
分かりやすくビクッと肩を震わせるけど、
こっちを振り向くことはない。
そこまで怒ってる、?
会議室で2人きりなのに、聞こえるのは俺の声のみ。
あぁ、終わったな、俺。
諦めて外に出よう。
遅れてだけど、撮影に俺も参加しなきゃ行けないんだし。
そう言って振り向いたあなたちゃんは、
今までで1番可愛かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!