第6話

6話
705
2019/10/07 12:11
ハク
ハク
なんでそんなヤツらがここにいるんだよ
ユキ
ユキ
…僕らも、僕らの王を待っていたんだ
アメ
アメ
王の器として相応しいか見定めるのも僕らの仕事。
ユキ
ユキ
そして、その王に仕える四龍もまた、相応しいか見定めるのも僕ら
ヨナ
ヨナ
見定めるって、いったいどんなことをするの?
ユキ
ユキ
君たちには、とある試練を受けてもらう。
ユキ
ユキ
それに合格したなら、僕達は君を新たな王として認め、力をたくそう。
ユン
ユン
…もし合格出来なかったら?
ユキ
ユキ
特にはなにも────
アメ
アメ
この森から出られなくなる。
ユキ
ユキ
アメ?
アメ
アメ
この森は人を選ぶ。僕らに認められない者は一生ここで彷徨い続ける運命に縛られる
アメ
アメ
それがいやなら、試練を受けて合格するか、試練を受けずに逃げ帰るか。
アメ
アメ
今なら1番霧が晴れてる時間帯だから、運よければこの森を抜けられる。
アメ
アメ
どうする?受けるのか、受けないのか。
ジェハ
ジェハ
…どうする?ヨナちゃん。
ユン
ユン
ヨナ、危険だよ。ここはやめといた方が…
ヨナ
ヨナ
受けるわ。
少しの迷いもなく返事をする。
ハク
ハク
…ククク。それでこそ姫さんだわな
ユン
ユン
…はぁ〜。ヨナならそう言うと思ったけどさー
キジャ
キジャ
我らは姫様に付き従うのみ!死ぬまでお供します!
シンア
シンア
コクン
アオ (ぷっきゅー)
アオ (ぷっきゅー)
ぷきゅきゅ〜!
ユキ
ユキ
…アメ
アメ
アメ
っ…分かってる!…ついてこい
アメはずんずんと先を進んでいく。
私たちはそれについて行った。

そしたらユキが、こっそりと私に近づいて、
ユキ
ユキ
…アメは本当はとっても優しいよ。口下手なだけで、さっきだって、この試練はとても苦しいものだから、受けて欲しくなかったんだよ
ユキ
ユキ
だから、その…
ヨナ
ヨナ
…大丈夫よ。少ししかあなた達を知らない私でも、アメは不器用で優しい人だってことだけは自信を持って言えるもの!
ユキ
ユキ
…ありがとう。ヨナ
そう言うと、ユキはふにゃ、と柔らかい笑みを浮かべた
ヨナ
ヨナ
…ユキはとてもお兄さん想いね。ユキもとっても、優しいわ。
私は少し羨ましく思い、そう言った。
ユキは少し悲しそうな顔をして、
…そうでもないよ、と呟いた
アメ
アメ
ユキ。鍵!
ユキ
ユキ
あ、うん。
目的地についたのか、アメがユキを呼び付けた
たどり着いたのは、何の変哲もない岩の壁だった。
ユン
ユン
…?ここ、ただの岩壁じゃん。
キジャ
キジャ
はて…
ユキが懐からビー玉くらいの大きさの玉を取り出した。

アメも似たような物をもち、それを同時に岩の壁についている穴におもむろに入れ込んだ。
ヨナ
ヨナ
なにしてるの?
ユキ
ユキ
…すぐ分かるよ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ



地割れのような音と共に目の前の岩壁が扉のように開く。
ジェハ
ジェハ
わぁ〜…すごいねぇ。どういう仕掛けなの?
アメ
アメ
教える義理はない
ジェハ
ジェハ
わぉ、ばっさり
ユキ
ユキ
…この洞窟を進むと、小さな洞窟の入口がいくつかある。みんなそれぞれバラバラに入って。
アメ
アメ
この試練は、己のトラウマの克服。せいぜい、頑張ることだ
シンア
シンア
…トラ、ウマ…?
ハク
ハク
…悪趣味な
ゼノ
ゼノ
…なーなー、ゼノも入らなきゃダメ?
ユキ
ユキ
いくら知り合いだろうが、手順はきちんと踏んでもらうよ。
ゼノ
ゼノ
ちぇー
アメ
アメ
じゃあ、行ってらっしゃい
ヨナ
ヨナ
…トラウマ

プリ小説オーディオドラマ