第41話

会いたかった
2,248
2020/06/05 13:17



会いたい


直感的にそう思った





今なら君が世界の反対側にいたとしても、どれだけの時間と金がかかろうと会いに行けると思った。




幸いなことに距離はそう遠くはない



電車に揺られ外の景色を眺める

会いに行っていい?
そんなことは聞いてない


もしかしたら迷惑だと思われるかも
いつもならそんなことを恐れて絶対連絡は欠かさないのに

今は心が羽より軽い




















あなた




もうすぐ会えるよ

















樹くんとは屋上の時以来会っていない


もう結構な時間が経っている
樹だってお仕事とか、いろいろあるはずだから私から会いたいなんて言えない



でも、そろそろ限界かも…ね













ピーンポーン





こんな遅くに誰だろう


インターホンで確認する気力もなくふらふらと立ち上がって玄関に向かった

はーい、とかろうじて出た声はか細いという他なかった








ガチャ















ぎゅっ
○○
え?い、樹くん!?
あなた、
会いたかった
○○
私も…会いたかったよ
○○
とりあえず中入ろう?
うん




ガチャ






バンッ






○○
へ?



玄関に入って早々壁ドンをされた

どんどん距離は縮まっていく




こんな夜遅くに誰かも確認せずにドア開けちゃダメでしょ?
○○
ご、ごめんなさい…
あなたはもっとかわいいって自覚持って


耳元で樹くんの低い声でささやかれるとなんだか体がゾクゾクする


男の力なんて抵抗しても無駄なんだからね
○○
そんな心配しなくても大丈夫だよ?w
じゃあこれ逃げられる?
○○
え?
○○
きゃ、


私の両手首を樹くんは、いとも簡単に片手で壁に押さえつけた


体も樹くんの足でがっちりホールドされていてびくともしない





ほら、あなたは女の子なんだよ
危ないから気をつけてね



会った途端つい抑えきれなくなって大胆な行動に出てしまった




だってずっと会いたかったし


あなたが可愛すぎるから







○○
う、うん



いろんなことが急にありすぎて樹くんが力を緩めた途端崩れそうになった


ガシッ
大丈夫?
○○
ごめん、
疲れてたよね、急に来ちゃったし
○○
ううん!私も樹くん不足で死にそうだったから…
ぎゅ
○○
わっ、
…じゃあ充電///
○○
う、うん///



やばい自分で言っといて恥ずかしい///
まぁあなたとハグできると思えばこれほど幸せなことってない









今日はあなたと過ごしたい気分

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