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第1話

1, 日常茶飯事
21,007
2023/03/30 05:00



阿部side



突然ですが、俺の彼氏は簡単に言うと、めんどくさい、しつこい、変態…、なんです。


それも、もう手に掛からないぐらいの彼氏で。


ん?誰かって?みんな大好き目黒蓮です。


は?お前、惚気かよって思いました?
そうでしょうね、目黒蓮のことはみんな口々に、国宝級イケメン、高身長、スタイルがいい。優しさで出来てて外見も中身も完璧だと言いますよね。


時には「えぇ!めめが彼氏!?めっちゃ良いじゃん!」「あんなにかっこいい彼氏いれば幸せなの間違いないでしょ!」だとか恨めしがる声が聞こえてくるけど。


みんなほんとのめめ知らないでしょ?


というか、身内しか知らない目黒蓮がそこにはいるんですよ。











目黒蓮
阿部ちゃーん♡

ほら来た、皆さん聞いたことあります?
語尾にハートつけて喋る目黒蓮。


スマホを弄る俺を後ろから抱きしめてきて、肩口に顔を埋めては匂いを嗅いでくる。
阿部亮平
やめてよぉ、
目黒蓮
なんで?
阿部亮平
恥ずかしいの…、
目黒蓮
可愛い♡

また始まった…。
これが日常茶飯事なんですよ、毎回。


でも、これを許している自分もどうかと思うけど、好きなんだからしょうがないよね。


あ、惚気ウザイなんて思わないでね?もう手に負えないことだから。
目黒蓮
んは…、阿部ちゃんまじでいい匂い…。
阿部亮平
変態発言やめてって。
目黒蓮
だって事実だし。
阿部亮平
だからって言わないで…?
目黒蓮
ううん、いっぱい言う。…ん、はぁ…次お腹、嗅ぎたい。
阿部亮平
ほんと…セクハラ…っ!

めめの顔を押して拒否しても、手を掴まれて、そのまま指を絡められる。
目黒蓮
かぁいい…♡、照れてる?
阿部亮平
ねぇ、めめさ今彼氏じゃなかったら通報してたよ?
目黒蓮
んふふ、ごめんなさい。

全く反省していないように笑うめめは、今度は服の中に手を入れてきた。
阿部亮平
ちょ、どこ触ろうとしてるわけ…?
目黒蓮
胸だけど。
阿部亮平
開き直らないの!!
目黒蓮
ねぇ、お願い。ちょっとだけ、先っぽだけ…、
阿部亮平
それここで使うセリフじゃないし…っ
阿部亮平
離して…っ!

強く押せば拗ねた顔して、頬を膨らませる。そんな顔したって駄目なものは駄目なんだから。
目黒蓮
じゃあさ、キスしてくれたらやめる。
阿部亮平
は?ここではしません。
目黒蓮
じゃあ阿部ちゃんのおっぱ、
阿部亮平
あー!するからそれ以上喋んないの!

ちゅっと軽く唇を重ねれば、嬉しそうに笑っては抱きしめられた。


そしてまた首筋に顔を埋められて、スーハースーハー息をする音が聞こえる。


ねぇ誰か、お巡りさんここら辺いない?
捕まえてくんないかな。あ、佐久間…は、あざとい警察だった。俺が捕まってどうすんだ。
目黒蓮
阿部ちゃん…好き…。
阿部亮平
はいはい、知ってますよ。
目黒蓮
阿部ちゃんは?言ってくれないの?
阿部亮平
なんで言わないといけないの。
目黒蓮
聞きたいから。
阿部亮平
やだよ。調子乗るじゃん。
目黒蓮
……俺、阿部ちゃんに好かれてないの?
阿部亮平
…っ、好き…、だよ。

悲しそうなめめの声が聞こえてきて慌てて、好きだと伝えると、にっこりと微笑まれた。
目黒蓮
俺も好き、大好き。
阿部亮平
もう分かったから…、早く離れてよ…。
目黒蓮
えー、やだ。もっとチューしたい。
阿部亮平
無理、もうしないっ!ここ楽屋なの忘れてない?
目黒蓮
大丈夫。誰も来ないし。
阿部亮平
来るから…、スタッフさんそろそろ来ちゃうから…!

ちらっと壁に掛けてある時計を見れば、収録の時間が迫ってきてた。


俺の楽屋に遊びに来てるめめも次仕事入ってるはずなのに。
阿部亮平
ねぇ、ほんと離れ…
目黒蓮
阿部ちゃん、今日家行ってもいい?
阿部亮平
え?…やだ。
目黒蓮
やだ?なんで?最近会えてないから会いたいんだけど。
阿部亮平
明日も仕事あるし……、って、ちょっとお尻触んな…
目黒蓮
明日は午後からでしょ?俺も午後からだから、少しぐらい良いでしょ?
阿部亮平
だめっ…!…んぁっ、ねぇ、

話を聞いてくれないめめの口を手で塞げば、手のひらを舐められて変な声が出てしまった。
目黒蓮
…んは、…えっちな声。
阿部亮平
うるさい…、離してって。
目黒蓮
なら今日家行っていいでしょ?ね?
阿部亮平
だから…
目黒蓮
阿部ちゃん…お願い。

こんな風にお願いされたら断れないこと分かってるくせに。ずるい。
阿部亮平
分かった、分かったから。
目黒蓮
ほんとに?やった。

結局折れてしまう自分が憎くて仕方ないけど、しょうがない。だって好きなんだもん。
目黒蓮
じゃあ、今日の夜行くね。
阿部亮平
はいはい…。
目黒蓮
ふはっ、顔真っ赤。可愛い♡
阿部亮平
もう、退いて!収録間に合わなくなるから!
目黒蓮
はい、じゃ、行ってらっしゃい。

俺から離れると見送るように手を振ってるめめ。
べっ!と少し舌を出して睨んでおいた。
目黒蓮
んふ、可愛すぎ。
目黒蓮
頑張ってね。

めめの言葉を聞きながらドアを閉めた。


さっきまであった温もりが消えていく気がして寂しい気持ちになりながらも俺はスタジオに向かって歩き出した。







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