第6話

6, 一途しか勝たん。
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2023/08/25 09:09



阿部side


誰しも恋人に対して嫉妬とか束縛とかしたくないとかしないって人もいるかもだけど大半の人はするのが多いと思う。


俺もする方ではあったけど、めめと付き合い始めてそこまで嫉妬するようなことはなかった。だって、嫉妬する必要ないぐらい感情を俺に言葉と態度で伝えてくれるから。それ以上に変態だし。

目黒蓮
…ほんと可愛い。


今だって同じ楽屋に居て、いつも通り隣に座ってきては飽きないのかってぐらいじっと頬杖ついて俺を見つめてくる。

阿部亮平
…めめ、見すぎ。穴空く。
目黒蓮
ん?見たいから見てるの。
阿部亮平
…やる事あるでしょ?ドラマの台本覚えるとかさ、もっと有意義に時間使いなよ。
目黒蓮
阿部ちゃんを眺めるのも立派な仕事の内だと思うけど。
阿部亮平
意味わかんない。


毎日のようにこの調子だから、もう嫉妬なんてものする日は来ないんじゃないかって思ってたんだけど。

深澤辰哉
んね、阿部ちゃん。
阿部亮平
んー?


今日の撮影のペアになってたふっかがちょいちょいと肩を叩いてきた。

深澤辰哉
あれさ、めめだよね。
阿部亮平
ん?どれ?
深澤辰哉
あれあれ。


突然そんな事を聞かれ指さされた方を向く。そこにはめめがいて、誰かと話し込んでる様子だった。

阿部亮平
うん?めめがどうしたの?
深澤辰哉
あの話してる人さ、
阿部亮平
…女の人?
深澤辰哉
うん。なんて言うか…見た目?格好?が、狙ってる感じない?
阿部亮平
なに、狙ってる感じって。
深澤辰哉
あれさぁ、あんな胸元開いた服着てさ、谷間見せてるような服着て、しかもメイクも髪型もなんか派手っぽくて…。
阿部亮平
……
深澤辰哉
…って、ねぇ、阿部ちゃん?
阿部亮平
……あ、ごめん。聞いてなかった。
深澤辰哉
おい、聞けよ。笑
深澤辰哉
いやね?さっき俺あの人に話しかけられたのよ。それがめめのことばっか聞かれて。
阿部亮平
は?何それ。


あの女の人を見る限り、今回の雑誌のお偉いさんっぽい。歳はメイクとかで誤魔化してるかもしれないけど、確かにふっかの言う通り、顔とか態度とか明らかにめめの事を狙っているような気がする。


めめの好みのタイプは年上。それは昔から言ってることだったからあの人知ってそうだな。

深澤辰哉
まぁ、でもめめは阿部ちゃん一筋だから何の心配もいらないと思うけど。
阿部亮平
…それは、別に大丈夫だよ。俺には関係ないし。
深澤辰哉
んは、すげぇ自信。さすが愛されてるだけあるね。
阿部亮平
まーね。


なんて平気な感じ出したけど、いざあんな風にめめが女性と2人で話してる姿を見ると、やっぱりモヤッとする。


めめって脚綺麗な人がいいって……あの人足スラッとしてて、ふくらはぎとか細くて長かったし太腿は細すぎず、めめが好きそうな体型だ。

阿部亮平
……っ!


悪い思考へ向かってくところで自分の頬をパチンと叩いた。

深澤辰哉
えっ?阿部ちゃん?
阿部亮平
………ごめん、なんでもない。
深澤辰哉
いや、なんでもない人は急に自分にビンタしないけど?


ギョッとした顔して俺を心配するふっかから目を逸らしながら答える。

阿部亮平
……ちょっと自分に向かって喝入れようと思って…。


逸らした視線をめめの方へ向ける。まだ話し込んでるみたいだ。いつまで話してるの。早くいつもみたいに笑顔で俺のとこ来てよ。

深澤辰哉
…あ、ふーん?阿部ちゃんもまぁまぁ重めの…。


睨むようにふっかを見て黙らせると、苦笑いを浮かべて謝ってくる。

深澤辰哉
そんな顔しないでよ、ごめんて。
深澤辰哉
でも…あれだわ。阿部ちゃんほんとツンデレだよね。
深澤辰哉
めめに教えてやりたい。


ニヤニヤと笑ってからかう様に言ってきたふっかに、「うるさい。」って一言告げてその場を離れた。


めめが目移りとかするなんて思ってないけど、考えるだけで嫌になる自分がいて。めめを信じてるけど、めめがモテるのは事実だし、正直不安になってしまう。めめはそんなこと無いって分かっててもどうしても考えてしまって。

目黒蓮
あ、阿部ちゃん!
阿部亮平
…え、あ、


頭を冷やすために入ったトイレから出てスタジオへ戻ってると後ろから声をかけられた。振り返ればめめがいて、俺を見つけては笑顔を見せて駆け寄って来た。

目黒蓮
どこ行ってたの?探したんだけど。
阿部亮平
うん…、ちょっとトイレに。
目黒蓮
そっか。じゃあ戻ろ?阿部ちゃんの撮影順、次でしょ?


そう言いながら手を握られる。めめの手は少しひんやりしていて気持ち良かった。でも、恥ずかしさが勝っていつもみたいに手を引いて離す。

阿部亮平
こんなとこで手繋いだら誰かに見られちゃうかもでしょ。
目黒蓮
だよね、ごめん。


悔しそうに笑った後で、俺のペースに合わせて隣を歩く。


もう、あの人とは話し終えたんだな。何聞かれたんだろ、彼女は?とか、どんなタイプが好き?とか?そう思うと、口が勝手に開いて。

阿部亮平
めめ、さっき話してた女性の方…スタイル…良かったよね…
目黒蓮
ん?
阿部亮平
えっと、その、胸とか脚とか…
目黒蓮
女性……あぁ、あの人ね。


思い出したのか顔をしかめる。それからすぐに表情を変えて、俺の腰辺りを撫でてきた。

目黒蓮
あんまり覚えてないや。阿部ちゃんから見てそんなスタイル良かった?
阿部亮平
…え?まぁ、…顔も綺麗だったし、
目黒蓮
顔?どんな顔してたっけ。


首を傾げながら考え込むめめを見て、俺が馬鹿だったなって思った。

目黒蓮
てか、何話してたか全然覚えてないわ。


めめってやつは、どこまでも俺以外に興味がなさすぎる。メンバーでもなければ友達でもない、そんな人めめにとってはほんとにただの他人でしかないのか。なんか、嬉しいようで心配にもなるような。

目黒蓮
阿部ちゃんあの人のことそんなに見てたの?
目黒蓮
綺麗とかスタイル良いとか…、俺以外の人見ちゃだめだよ。


立ち止まって俺の頬を触るめめに、なんかムッとして俺も負けじとめめの頬を軽くつねる。

阿部亮平
めめこそ…興味無いなら楽しそうに話すのやめてよ。
目黒蓮
え?……えぇ?嫉妬してくれたの?なにそれ可愛い…
阿部亮平
は、ちがっ、


否定しようとしたけど、唇を塞がれてしまった。

目黒蓮
ねぇ、阿部ちゃん…好き。
阿部亮平
ちょ、ここスタジオの前…
目黒蓮
誰もいないよ。
阿部亮平
そういう問題じゃないから!誰かに見られたらどうするの…!
目黒蓮
俺は別にいいけど。
阿部亮平
良くないからっ、!


また顔を寄せてくるめめの体を押して拒む。そうすれば不満そうな顔をしながら俺を見た。

阿部亮平
そ、そんな顔してもだめ。
目黒蓮
……じゃあさ、今日家行ってもいい?
阿部亮平
…え、
目黒蓮
阿部ちゃんがもっと安心出来るようにするからさ。


優しく微笑んでくるめめの顔に思わずドキッとする。


たまに出てくる爽やかイケメンスマイルは心臓に悪い。あのいつもの変態はどこに消えたんだ。

阿部亮平
…いいけど。
目黒蓮
ふふ、やった。


嬉しそうに笑うめめを見て、俺も釣られて笑顔になる。

深澤辰哉
おーい、お二人さん楽しそうなとこ悪いけど早くスタジオ入って来んない?


突然声をかけられ振り向くとドアから顔を出したふっかが立っていた。さっきまでのやり取りを見られてたと思うと一気に恥ずかしくなってめめから距離を取る。

目黒蓮
うぉ、…急に押さないでよ。
阿部亮平
ごめんっ、すぐ行く。


なんかすごく察したような顔してるふっかから、わざとらしく目を逸らしながらスタジオへ入るとめめもついて来た。

深澤辰哉
阿部ちゃんさ、解決した?
阿部亮平
なにが。
深澤辰哉
ん〜?嫉妬しちゃったって話。
阿部亮平
別に…嫉妬してないし。
深澤辰哉
え?まだ意地張ってんの?
深澤辰哉
ふは、可愛いね。


こそこそと耳打ちするようにふっかと話してると突然、横から肩を抱かれふっかから離れる。

目黒蓮
近い。
深澤辰哉
ん、ごめんごめん。


めめが睨むようにふっかを見る。そんな睨んでる相手はヘラヘラ笑って謝ってるけど。


なんかほんと、嫉妬した自分が馬鹿らしい。めめが他の人に目移りするわけ無いじゃん。

阿部亮平
…こっそりお尻触ろうとすんのやめて。
目黒蓮
いてっ、


肩にあった手が下に落ちたと思った瞬間、今度はズボン越しにおしりを撫でられた。軽く叩けば嬉しそうに笑ってくる。

目黒蓮
触りたくなるよ、阿部ちゃんのお尻ほんといい形してるんだもん。すげぇ好き。
阿部亮平
セクハラで訴えようかな。


なんだかんだ言ってこういう彼氏の方が浮気とか心配しないで済むのかもしれない。









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ボツにする気だったけど、ここでの更新全然なかったんであげました。
待ってた方、お待たせしてすみません。🙇🏻‍♀️‪

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