第7話

慣れ時.....なんて、関係ない。
8
2019/06/15 05:14
優奈(ゆうりん)
優奈(ゆうりん)
えっ??べつにいないよ〜w
一紗(いっさ)
一紗(いっさ)
ほんと〜?     
嘘でしょ〜?
優奈(ゆうりん)
優奈(ゆうりん)
ん〜?さぁ〜w
暗闇の中、一紗の顔がぼんやりと浮かび上がる。表情は見えない。
いつもどうりを装ってるけど、、
実はめちゃくちゃドキドキしてる。



元彼と映画を見た時よりドキドキしてる。

なんで....?
一紗(いっさ)
一紗(いっさ)
気になってる人は〜?
優奈(ゆうりん)
優奈(ゆうりん)
まぁ、、いるかな...?
気になってるって言うか分からないんだけど....てか、そもそも好きか分からないんだけど.......ともき....かな
一紗(いっさ)
一紗(いっさ)
えー
まじで??
優奈(ゆうりん)
優奈(ゆうりん)
自分でもよく分からない。
でも、そうだったとしても
ともきモテるから叶わないしね。
優奈(ゆうりん)
優奈(ゆうりん)
別にどーなってもいいんだ〜
一紗(いっさ)
一紗(いっさ)
だったらさ、俺と付き合わない?
優奈(ゆうりん)
優奈(ゆうりん)
え??いや.....えっ?
一紗(いっさ)
一紗(いっさ)
叶わないんでしょ。
優奈(ゆうりん)
優奈(ゆうりん)
まぁ、そうだけど、、
一紗(いっさ)
一紗(いっさ)
男女で二人きりでいると、落ちると思うんだけどな〜
優奈(ゆうりん)
優奈(ゆうりん)
何それww
一紗(いっさ)
一紗(いっさ)
ダメ?
一紗が、私の顔を覗き込んでくる。
ドキドキしてる。
心臓が鳴り止まない。とか、相手に聞こえてしまいそう。とかが、どれほど適切なのか思い知らされた。
あぁ、、「うん。」ってたった2文字言ってしまえばどんなに楽か。
ともきが好きなのに。。。
私はそんな事を考えてしまった。

いや、

考えてしまった。と言うよりは、
思ってしまった。の方が適切だろう。



そんな感情で心はいっぱいだった。
振り絞った、小さな声で私は言った。
優奈(ゆうりん)
優奈(ゆうりん)
そ、そんなのダメだよ。。。
顔が見れない。
この空気に耐えられなくて私は立ち上がった。

部室の鍵をとり、一紗に渡す。




一紗に渡す時、手を掴まれた。
こちらを見る。

私がどんな顔してたか分からない。


一紗(いっさ)
一紗(いっさ)
ごめん。。
数秒見つめ合い、一紗が手を離した。

一紗が告ってきたのに、私から手を離さなかった......
離せなかった。

心のどこか奥で、離さないでって言ってた。

無言で私は部室を出た。



外は春の夜なので、ひんやりと冷たい風邪が私の頬を撫でる。
心の中がぐちゃぐちゃだ。
まるで、卵を潰した御月見うどんみたい。

今、たった今 起きたことが信じられない。
自分の愚かさにも気づいてしまった。

なんて、自己中心的なんだろう。
なんて、私は最低なんだろう。
なんで、人間はこんなにも醜いのだろうか。

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