第57話

おかえり
429
2020/09/24 22:43
あなた

あははっ
どうしよ..もう、止められないや..ッ

あなた

ねぇ、勝己くん..私、もうどうでも良くなったよ

あなた

このままここにいてどうなるのかも分からないし、そっちに戻ってどうなるのかも分からなくなった

あなた

だから、もう..私を止めないで

複雑な感情だった

本音もあれば、偽りの気持ちもあった



どっちがどっちかも、分からなくなった
(私..なんでこんなに弱いのかなぁ)
そう、何度も何度も心の中で呟いては、自分を押し殺していった
あなた

これが最後のチャンス
私を連れ帰るのか、ここに留めておくのか
それを決めるチャンスを勝己くんにあげる!だから..





【爆豪 side】
どんなに周りがうるさくて
どんなに自分がイラついてても、あいつの声だけははっきり聞こえた


馬鹿みたいに天真爛漫な声で耳障りだけどよ、俺はあいつの声をいつでも探ってんだろな。
あなた

助けて..ッ

だから、今もはっきり聞こえたぞ。お前の声
爆豪勝己
なら、そこで待っとけよ
何故かは分からねぇが、風が一瞬弱まった

その隙にあいつに近付いた


それでも、アイツは攻撃して来なかった
爆豪勝己
帰るぞ、あなた
アイツが、俺の暖かさが好きだって言ってた気がする

その言葉に、自分がなんて返したのは覚えてねぇ

けど、確かなことが1つあったんだ
爆豪勝己
(俺も、お前の暖かさは..なんつうか、好きだ)
アイツに声をかけたと共に、俺はなぜかあいつを抱きしめてた
あなた

うっ..うぅっ..

あなた

...っぅ..うわあぁぁああん..っ

あなた

ぐす..っ...ぁぅ..ッ

あなたは、俺の胸ん中で泣いていた


でも、今はそれでいいんじゃねェか?



お前はいつも溜めすぎなんだよ、あほが

だから、今は泣きじゃくって、吐いちまえよ


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【優春 side】
雛鶴優春
まさか、あなたがこちらまで戻っきているとは思いませんでした
兒浦
逆に私も、ここまで帰ることができるとは思っていませんでしたよ
理緒
兒浦はん、それは煽りに入るんとちゃいますか?
理緒
まぁ、それくらいはしてやってもいいやろなぁ
かなり奥まで進んだあたりで、不審な機械を見つけた


それでも、時代の流れというものはやはり大きく、私には操れそうになかった


そうあたふたしていると、2つの声が私にかかった




それが、兒浦と理緒さんだった
理緒
ッ!兒浦よ..厄介なことになったわ
兒浦
なんです?
理緒
あなたの催眠が解けた
兒浦
一体誰がどうやって..
雛鶴優春
あなたさんと爆豪さんの想いは、催眠なんかじゃ縛りきれませんから^^
残念でしたね
私はこの世界に来てまだ日が浅い。
それでも、あのお2人は凄くお似合いだと思うのです


連携もぴったりで、思考の合わせ方も上手い

最高のヒーローです
雛鶴優春
あなた方があなたさんを捕らえたのは、私たちをおびき寄せるだけでは無かったのでしょう?
兒浦
あなたさんがそちら側に戻ってしまった今、隠す必要はないようですね..
兒浦
そうです、あなたさんには少し働いていただきたかったのですよ(ニコッ
理緒
あなたの個性。
あれは使えるからのう
理緒
あの機械を動かすんに
そう言って、理緒さんは、先程まで私が見ていた機械を指さした。


この事から私は、この機械がまだ未完成であることを知った
雛鶴優春
そうですか..では、破壊しても良さそうですね^^
兒浦
あなたに出来るので?
雛鶴優春
やってみなくては分からない、というものですよ
兒浦
では..最終決戦と行きましょうか..(ニコッ
雛鶴優春
そうですね^^
兒浦の血気術で空間が変わると、私たちは同時に動き始めた




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