複雑な感情だった
本音もあれば、偽りの気持ちもあった
どっちがどっちかも、分からなくなった
(私..なんでこんなに弱いのかなぁ)
そう、何度も何度も心の中で呟いては、自分を押し殺していった
【爆豪 side】
どんなに周りがうるさくて
どんなに自分がイラついてても、あいつの声だけははっきり聞こえた
馬鹿みたいに天真爛漫な声で耳障りだけどよ、俺はあいつの声をいつでも探ってんだろな。
だから、今もはっきり聞こえたぞ。お前の声
何故かは分からねぇが、風が一瞬弱まった
その隙にあいつに近付いた
それでも、アイツは攻撃して来なかった
アイツが、俺の暖かさが好きだって言ってた気がする
その言葉に、自分がなんて返したのは覚えてねぇ
けど、確かなことが1つあったんだ
アイツに声をかけたと共に、俺はなぜかあいつを抱きしめてた
あなたは、俺の胸ん中で泣いていた
でも、今はそれでいいんじゃねェか?
お前はいつも溜めすぎなんだよ、あほが
だから、今は泣きじゃくって、吐いちまえよ
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【優春 side】
かなり奥まで進んだあたりで、不審な機械を見つけた
それでも、時代の流れというものはやはり大きく、私には操れそうになかった
そうあたふたしていると、2つの声が私にかかった
それが、兒浦と理緒さんだった
私はこの世界に来てまだ日が浅い。
それでも、あのお2人は凄くお似合いだと思うのです
連携もぴったりで、思考の合わせ方も上手い
最高のヒーローです
そう言って、理緒さんは、先程まで私が見ていた機械を指さした。
この事から私は、この機械がまだ未完成であることを知った
兒浦の血気術で空間が変わると、私たちは同時に動き始めた
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。