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第3話

第3話
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2018/10/14 02:15
私は席で何分かぼーっとしていたら、前のドアからガラガラっとドアが開く音がした。
我にかえり前を見てみると、若い男性が入ってきていた。
若い人
じゃあ皆席につけー!
あの様子じゃ先生なのかな?
周りを見ると、立ち歩いていた人は一斉に、静かに席へ戻っていった。
先生
新入生、はじめまして〜
先生
俺は如月 夏樹(キサラギ ナツキ)だ。よろしく〜
キサラギ ナツキと名乗る男は、明るくそう言った。
ん?
キサラギ……?
女子
あの!!
1人の女子が手を挙げた。
キサラギ先生
なんだ?
女子
もしかして、キサラギ先生って、キサラギくんと何か関係あったりしますか?
キサラギ先生
キサラギくんってもしかしてトウキの事?
女子
そ、そうです!!
キサラギ先生
ああ、トウキと俺は兄弟だよ〜
全員
えーーー!?
クラス全員が驚きの声をあげた。
私もびっくりだ。
でも確かに、顔が似ていてとてもイケメンだ。
キサラギ
あんたが担任とか最悪だわ。
キサラギくんが先生をにらんだ。
あんな顔もするんだなぁ。
キサラギ先生
ほんとは嬉しいんだろ〜?
キサラギ
だれがそんな……
キサラギ先生
まぁ俺もそうだが、トウキとも仲良くしてやってくれ〜
全員
はーい!
クラス全員が揃って返事をした。
学年でクラスの団結の速さはきっと1位だろう。
キサラギ先生
じゃあ入学式が始まるから体育館へ向かうぞー!
そう言われ、クラスの人達は体育館へぞろぞろと向かっていった。
流石に驚いたな……
まさか、キサラギくんのお兄さんが担任なんて……
ミユキ
あなた〜!
あなた

ん?

ミユキが私に近づいてきた。
ミユキ
びっくりだったねー!
あなた

そうだねー

ミユキ
入学早々、ビックニュースばっかで困っちゃうなぁー!
あなた

まーた何か企んでるの?

ミユキ
企んでるなんて人聞き悪いこと言わないでよー!
あなた

え?じゃあなに?

ミユキ
このビックニュースをSNSに載せるのー!
あなた

………。

あなた

私はもうなにも言わない

そうして、私たちは体育館へ着き、無事入学式を終えることができた。
ミユキ
あー、疲れたー!
あなた

ねー!

私たちは教室に戻り、帰る支度をしていた。
いろいろあったけどこのクラス、面白くなりそうだなぁ!
キサラギ
あっ!君!
あなた

え?

帰ろうとした時、キサラギくんに引き止められた。
な、なんだ!?
キサラギ
あのさ、君って名前なんだっけ?
あなた

わ、私の名前はあなたです……

キサラギ
あなたか!
キサラギ
あなた!これからよろしくな!!
そう言ってキサラギくんは私の頭をポンポンとした。
あなた

は、はい……

キサラギ
じゃあな!
キサラギくんは軽く手を挙げ、そのまま行ってしまった。
私の名前を呼んだよね……?
しかもポンポンって……
ミユキ
あなた〜……
ミユキ
あっ、話しかけないほうがいいかな?
やっぱり最高のクラスです!!

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