私は席で何分かぼーっとしていたら、前のドアからガラガラっとドアが開く音がした。
我にかえり前を見てみると、若い男性が入ってきていた。
あの様子じゃ先生なのかな?
周りを見ると、立ち歩いていた人は一斉に、静かに席へ戻っていった。
キサラギ ナツキと名乗る男は、明るくそう言った。
ん?
キサラギ……?
1人の女子が手を挙げた。
クラス全員が驚きの声をあげた。
私もびっくりだ。
でも確かに、顔が似ていてとてもイケメンだ。
キサラギくんが先生をにらんだ。
あんな顔もするんだなぁ。
クラス全員が揃って返事をした。
学年でクラスの団結の速さはきっと1位だろう。
そう言われ、クラスの人達は体育館へぞろぞろと向かっていった。
流石に驚いたな……
まさか、キサラギくんのお兄さんが担任なんて……
ミユキが私に近づいてきた。
そうして、私たちは体育館へ着き、無事入学式を終えることができた。
私たちは教室に戻り、帰る支度をしていた。
いろいろあったけどこのクラス、面白くなりそうだなぁ!
帰ろうとした時、キサラギくんに引き止められた。
な、なんだ!?
そう言ってキサラギくんは私の頭をポンポンとした。
キサラギくんは軽く手を挙げ、そのまま行ってしまった。
私の名前を呼んだよね……?
しかもポンポンって……
やっぱり最高のクラスです!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。