「おいAー!掃除全く出来てないじゃないか!だいたいいつもお前は……」
先生がAに対して叱りつけた。
先生が起こっている掃除ができてない場所は、
_____昨日、私が頼まれた掃除場所だった。
先生に怒られ自分の席に戻ったAはわたしの席の横を通った。
「あんたのせいだからね」
いつもの可愛い声とは違う、怖くて低い声だった。
『ごめんなさいごめんなさいごめんなさい』
心の中でずっと謝り続けた。
次の日から、私はそれまでより丁寧に、綺麗に、倍の時間をかけて掃除するようになった。
私のせいで、Aが怒られないように。
大丈夫かって?そりゃ、大丈夫だよ。
うん、大…丈夫……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。