組織の人間としてずっと生きてきたわけだが、俺は誰も信用したことはなかった。
誰かとチームを組まされても仲間を信用せず、単独行動を心がけてきた。
それは、裏切りにあいたくないから。
裏切りは残酷だ。裏切られた当人は心に深い傷を負い、裏切った本人も決していい心地ではない。
だから誰も信用しなかった。そう、あくまでも過去形だ。
それは、あいつが俺を変えてくれたから。
俺のスタンドは破壊力がない。だからあいつをぶっ飛ばすことはできない。
俺はスタンド『チェリーボーイ』を上空へと飛ばし、ポーリエフリスを探した。
案の定、あいつはいた。射程距離は陽炎が見える範囲まで。十分届くはずだ。
チェリーボーイの能力で陽炎を操り、ポーリエフリスに文字を見せた。
すぐにくる。そう信じているのだ。
現れたのは、右腕に矢を宿した人型のスタンドだった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。