第3話

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2019/12/25 02:36


放課後,御手洗を済ませ

1階にある部室へ向かう過程で

何やら人盛りが出来ていた



あ な た
あ な た
… ??


階段を降りて1階横を可愛らしい

女子達が囲んでいた

その輪の中心にいたのは

勿論JUMPの中でも絶大的な人気を誇る

山田涼介



あ な た
あ な た
… おぉぅ …


初めて至近距離で見た

その美しすぎるお顔に驚きながら

その場を通り過ぎようとしたその時



山 田 涼 介
山 田 涼 介
関谷 !!
あ な た
あ な た
……  


振り返らずに歩みを止める

あれ,今,私,呼ばれた ??

ゆっくりと振り返り見ると

こちらを見る女性軍と共に

山田涼介が私をガン見していた



あ な た
あ な た
…… わ …… 私 … ですか ??


唖然とする私に躊躇なく近寄り

目の前に立ちはだかった彼

え、これ、流れ的に乙ゲーかな



山 田 涼 介
山 田 涼 介
関谷あなた っ て お前でしょ ?
あ な た
あ な た
…… あ、はい


これはもう、プロローグだ。

序章だ, 乙ゲーの幕開けだ



山 田 涼 介
山 田 涼 介
… 部室。 どこ
あ な た
あ な た
… あ … え ??
山 田 涼 介
山 田 涼 介
だから, 関谷の部室どこだって聞いてんの
あ な た
あ な た
…… あ っ ……


入部願書

高等部1年Sクラスの山田涼介って

やっぱり

この御方だったのか ?!


あ な た
あ な た
あ っ と … え ー , こ , こちらです …
山 田 涼 介
山 田 涼 介
……


近くにある教室を指先すと

顔色の変わらない彼が

すたすたと歩き始めた



あ な た
あ な た
あ、あの …
山 田 涼 介
山 田 涼 介
話は中で … ここじゃめんどい


…… あ …

痛いほど感じる女性軍の視線

振り返らなくてもわかる

いや、これは

振り返ったらゲームオーバーになるやつだ



あ な た
あ な た
あ ー …… じゃ … はい 


そう返答している間に

部室に入ってしまった彼

背後にはよく分からない鋭い圧力

私は意を決して振り返ると

素早くお辞儀だけして部室へと急いだ



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