放課後,御手洗を済ませ
1階にある部室へ向かう過程で
何やら人盛りが出来ていた
階段を降りて1階横を可愛らしい
女子達が囲んでいた
その輪の中心にいたのは
勿論JUMPの中でも絶大的な人気を誇る
山田涼介
初めて至近距離で見た
その美しすぎるお顔に驚きながら
その場を通り過ぎようとしたその時
振り返らずに歩みを止める
あれ,今,私,呼ばれた ??
ゆっくりと振り返り見ると
こちらを見る女性軍と共に
山田涼介が私をガン見していた
唖然とする私に躊躇なく近寄り
目の前に立ちはだかった彼
え、これ、流れ的に乙ゲーかな
これはもう、プロローグだ。
序章だ, 乙ゲーの幕開けだ
入部願書
高等部1年Sクラスの山田涼介って
やっぱり
この御方だったのか ?!
近くにある教室を指先すと
顔色の変わらない彼が
すたすたと歩き始めた
…… あ …
痛いほど感じる女性軍の視線
振り返らなくてもわかる
いや、これは
振り返ったらゲームオーバーになるやつだ
そう返答している間に
部室に入ってしまった彼
背後にはよく分からない鋭い圧力
私は意を決して振り返ると
素早くお辞儀だけして部室へと急いだ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!