第4話

312
2019/12/25 02:56

部室の扉を急いで閉める

軽く深呼吸をしながら

これから向かい合わせになるであろう

山田涼介と会話をする覚悟を決め

振り返った


あ な た
あ な た
ぁ ………… あら …… ??


振り返るとそこには誰もおらず

人の気配さへしない

あれ、さっき彼はここに入っていった

はずなんだけど ……



あ な た
あ な た
…… っ うわぁあ ?!



少しだけ歩みを進めると

視界の下に何かが見え思わず立ち止まった



あ な た
あ な た
へ ?! 
山 田 涼 介
山 田 涼 介
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…
あ な た
あ な た
?!


少しだけ下に目線を向けると

うずくまり座っていた彼が

少しだけ私を見ては顔を伏せ

謝罪の嵐



山 田 涼 介
山 田 涼 介
ほ …… っ 本当 あ、 あんな口聞いてごめんなさ …
あ な た
あ な た
えっ ちょちょちょちょ ?! や、 山田さん ?!


体制を変えると土下座ポーズに代わり

その光景にびっくりし過ぎて止めに入る


山 田 涼 介
山 田 涼 介
違うんです , お … 俺 … ずっ ー と この部活に入りたくて … その …
あ な た
あ な た
…… 


あれ ??

私の前で土下座をしながら

必死に何かを訴えているこのイケメンは

一体誰だ ??


あ な た
あ な た
…… アニメ … とか … き、興味は …
山 田 涼 介
山 田 涼 介
興味しかないです, や、寧ろ趣味です
あ な た
あ な た
…… ほぇ 



同じくしゃがみこみ

何となくこの部活の趣旨に

合っているかどうか

彼の興味は本当にアニメなのか

聞いてみた

反応はこれだ

これはもう、私が知っている山田涼介では

ない


あ な た
あ な た
…… あのぉ ……
山 田 涼 介
山 田 涼 介
…… っ や、 やっぱり迷惑ですかね ? その、俺 ……
あ な た
あ な た
あ、じゃなくて、…… じゃなくて
山 田 涼 介
山 田 涼 介
……
あ な た
あ な た
…… あなたは … 確かJUMPの一員です …… よね …… ?
山 田 涼 介
山 田 涼 介
…… い , 一応
あ な た
あ な た
…… あの、 クールで無口な … 山田涼介さん … ですよね …
山 田 涼 介
山 田 涼 介
…… っ て 設定では あります … ね
あ な た
あ な た
…… 設定 … ??


設定ってなんだ ?!

え、彼はクールで冷静で無口で

完璧な王子様じゃないのか ?!



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