第50話

待たせたな。
1,120
2020/11/29 14:28
涙が床に落ちる前に、私は懐かしい匂いに包まれていた





あの日…事故の時…


とっさに守ってくれた彼の匂い





甘くて、優しい…







私の大好きな匂い










テオくん
テオくん
あなた


ぎゅっと力を込めて抱きしめられる

































テオくん
テオくん
ごめん。待たせたな
あなた

え…?

私は腫らした目で彼の顔を見上げた




私の大好きな顔


くしゃっと笑った笑顔


目には少し涙を浮かばせながら、少し震えた声で彼は言う




















テオくん
テオくん
大好き






テオ…くん…








テオくん
テオくん
ずっと1人にして、ずっと待たせて、
ずっと寂しい思いさせてごめん。
全部思い出したよ?
愛する彼女を泣かせるまで思い出せないなんて、
俺、ほんとに最低な男だったな
テオくん
テオくん
こんな最低野郎だけど、別れる?w

少しふざけた顔で笑ってる


あーあ。もう、大好きだな。
あなた

ばか

テオくん
テオくん
へへ、ごめん






その後、じんたん達が屋上に来て記憶が戻ったことを伝えた



じんたんまで泣いちゃって、私もテオくんもまた泣いて














私たち、幸せ者だな…
























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