第43話

信じたくなかった
1,037
2020/11/23 01:01
ガラガラ…


あなた

じんたん飲みもの買ってきたよ

じんたん
じんたん
あーありがと!
そう言って微笑むじんたんの目は赤くなっている



何、お話してたのかな
じんたん
じんたん
俺烏龍茶〜!
ありさ
ありさ
はい!どーぞ!
じんたん
じんたん
ありがと!
じんたん
じんたん
あなた、あとなんか買ってくるものとかない?
俺この後撮影あるから帰らなきゃ行けないんだけど
あなた

うん!大丈夫だよ!ありがとう!

ありさ
ありさ
なんかあったらすぐに言ってね?
あなた

うん!

あなた

2人とも気をつけて帰ってね!

じんたん
じんたん
うん!じゃーね!あなた、テオくんも!
ありさ
ありさ
ばいばい!
あなた

また来てね〜



はぁ…



急に静かになった病室で私はため息をつく



ベッドの横に座ってテオくんの綺麗な寝顔を見守った






















ねぇ、テオくん…
あなた

起きてよ




テオくんの整った顔

サラサラな髪の毛



少し触りたくなって、頭を撫でる


長いまつ毛が

揺れた気がした





あなた

テオくん?

あなた

テオくんっ

気のせい?
テオくん
テオくん
ん…
ゆっくりと瞼が開き綺麗な瞳が見える
あなた

テオくん!


ナースコールっ
あなた

テオくん!分かる?



テオくんが部屋を見渡してゆっくりと話し始めれる






でもその声は私の大好きな声なのに



私の大好きな笑顔ではなくて



少し困ったようで













その言葉はあまりに残酷だった





























テオくん
テオくん
すみません…どちら様でしょうか…
ここは…どこですか?














その言葉を私は信じたくなかった。


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