ヴー…ヴー…
スマホのアラーム…
一人で寝てると大きく感じる彼のベッド
カーテンの隙間から光が漏れてる
スマホのロック画面には7:00と書かれてる
壁紙はテオくんとの写真…
しばらく変えようかな…
コンコンッ
ガチャ
テオくんは、いつも誰かとコラボした時とか、何か思い出に残したい時にチェキを撮る
じんたんは今までに撮ったそのたくさんの思い出を両手に抱えてた
写真か…
私のスマホの中にはテオくんとのたくさんの思い出がある
でも
ダメだなぁ、私。
思い出せないテオくんの方がきっと不安で、辛いはずなのにな
少し上を向いて涙を乾かす
あーあ。いつもならすぐに乾くのにな
今朝はなんだか止まらない
テオくんなら、こんな時、静かに抱きしめてくれるかな。
大丈夫。って言ってくれるかな。
今度は私がテオくんにそうしてあげなきゃいけないのにな
彼の匂いのする部屋で
匂いしかないその部屋で
そのドアの向こうで静かに待ってくれていた
彼の相方の存在にも気づかずに
ただ涙を流すことしか出来なくて。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。