第29話

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2020/11/18 11:54
ひたり
あなたの手が呪霊に触れる。
夢主
破壊式・抹消:彼岸花
そう呟くと同時にあなたが触れた場所から赤黒い棘が咲く。呪霊の血がびしゃりとあなたに飛び散る。
夢主
ふ…ふはは、ふはははははははは!!
あなたは浴びた返り血を指ですくうと弾けたように笑い始めた。
呪霊はギリギリ生きているいわゆる半殺し状態だった。あなたはそんな呪霊の再生した手に自分の手を絡める。
夢主
いいぞ!いいぞ…もっと見せろその顔をッ!最高だ!くふふはははは!
バキリ。絡めた指に力を込め呪霊の指を1本ずつ折る。その度に断末魔を放つ呪霊にあなたの気分は高揚していく。
夢主
どーしました?まだ足の指が残っていますよ!頑張ってください!
バキリボキリとゆっくりねじってすり潰すように折っていく。じわじわとした痛みに呪霊は逃れようと足掻くが、騰けば足掻くほど棘が深く刺さり抜け出せなくなる。
夢主
ふぅ…飽きましたねぇ…ということで死んでください
呪霊の骨をボキボキと折っていたあなたは突然何かが吹っ切れたように態度を変えた。
ため息混じりに呟くと再び呪霊に触れる。

滅殺:彼岸黒百合…

その瞬間呪霊は四方八方に爆散した。

ビシャッと呪霊の血(体液)があなたにかかる。グレーの髪も真っ白な肌も呪霊の血で汚れている。
そして彼女は付していた瞳を開き口元に弧を描く。その姿はなんとも妖艶で妖しくも美しかった。
夢主
… あ…あぁ…うぅ、あぁぁぁあ
ふっとあなたの周りを渦巻く雰囲気が普通に戻る。その瞬間楽しそうに笑みを浮かべていたあなたは眉を顰めその場に崩れ落ちた。
返り血に染ったあなたの頬に大粒の涙が伝う。
その透明な雫は、ぱたぱたと赤紫に染った地面へと落ちて消えていった。






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術式の名前は適当です…
寛大な目で見てやってください。


破壊式・抹消:彼岸花
触れた所から彼岸花のような棘が発生し体を内側から攻撃する。暴れれば暴れるほど食い込む。呪力を吸い取って大きくなる。←花御みたいな感じ


滅殺:彼岸黒百合
触れたものを呪い殺す。自身の呪力を相手に無理やり流し込み爆散させる。触れることさえ出来れば相手が自分より強くても殺せる。つおい。

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