日も沈み異様な空気を醸し出す高専内の一室、普通の学校で言う職員室で五条家の子供たちは暖かいココアをくぴくぴと飲んでいた。
とっくの昔に時刻は10時を周りそろそろ11時になる頃になっている。さすがに眠たくなったのか下の子たちはあなたの膝や肩に寄り添って寝息をたてていた。
樹の言葉にあなたは目を見開く。
知識として少し教えた特級呪物の名を紡ぐ樹に驚きを隠せなかったのだ。五条の子どもというだけで命が狙われるため教えた知識がきっと彼が答えを導き出すきっかけになったのだろう。
そう言いながらマグカップに残ったココアをゆっくりゆっくりと飲む昊。猫舌なため湯気が立ち上るココアをちびちび飲む姿はなんとも可愛らしい。
スン、と表情を無にした長男長女にあなたは固まる。
悟のことだ、「死刑なしになったから器くんのお世話よろしく〜☆」とか言ってくるのが目に見える。
はぁ、とため息をついたところでガララ、と後ろのドアから最強がお出ましになった。
ギューッと抱きついてくる悟を軽く抱き返して軽くキスを交わす。え?子供の前でなにやってんのかって?ご安心を五条家はこれが普通なのでこの子達みんな慣れています。
はい、ドンピシャリ〜☆
天祥家の隠れ家とはあなたの先祖の家であり、呪術界に属してはいたが密接な関係を築くのを嫌った天祥家が呪術界から隠れるために作った何処にあるのか分からない家。
高専内の結界と同じく転々と位置を変えるのでもし見つけてもすぐに消えてしまう。家主(天祥あなた)の許可がなければ見えない、触れない、入れない。
そんな隠れ家を使うのだから本当に警戒した方がいいのだろう、確かにこの頃子供たちが襲われそうになる回数が増えていた。そのためあなたは悟の提案に頷いたのだ。
そう隠れ家は家主であるあなたの許可した者ならいつでもどこでも入れるのだ。例えば街中であ〜帰りてぇ〜と思った瞬間家の中、みたいな感じだ。
そう言って顔を見合せクスリと笑い合う。
話が落ち着く頃には子供たちは全員夢の中だった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。