任務に当たった先で報告とは違う特級並の力を持つ呪霊が攻撃を仕掛けてきた。
家入を狙った攻撃を庇って受けてしまい森の何処かへとトバされてしまった。ズキズキと痛む傷を押さえ立ち上がる。
いつも眼を使わないように伏せていることもあって得意な気配感知で家入の呪力を探り走る。
家入は呪霊に追われながらあなたへと近付いている。早く行かなければと走る速さを上げる。しばらく走ったあと、ふと足を止めた。
呪霊に今にも握りつぶされそうな家入があなたの視界に入る。あなたの中に言い表せない怒りの感情が渦巻く。
あなたは考えるよりも先に行動していた。
伏せていた眼を開き使う。
目を覆っていた目隠しがピキピキと音を立てて硬化する。かしゃりと乾いた音と共に地面で粉々になる。
家入を殺そうと頭に手をかけようとしていた呪霊の手を切り落とす、その後家入を握り潰そうとしている手を原型が無くなるほどに切り刻み家入を救出した。
少し離れた木の影に家入をそっと降ろし、あなたは何も言わず呪霊の元へと向かう。
後ろで家入に名前を呼ばれた気がしたが振り返らずに呪霊の目の前へと移動した。
久しぶりの高揚感。呪霊を祓う感触。
眼を使う時の昂り、あなたは笑う。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。