第45話

失ったわけじゃない
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2021/02/03 05:58
コンコン
夢主
五条くん…今、いいですか?
男子寮、五条悟の部屋の前に立つ。
軽くノックをしてみるが返事はなかった。
夢主
また…来ますね
今日あったことを話しておこうと思ったが、出来そうもないのであなたは自分の部屋に戻るべく五条の部屋から背を向け歩き出そうとした。
五条
五条
あなた…ッ、
ガチャっと勢いよく開いたドアから五条が飛び出した。
そのまま五条はあなたをきつく抱きしめる。
夢主
ご、五条くん!?
いきなり抱きしめられたあなたは目を白黒させる。
とりあえず抱きついてきた最強の背中をぽんぽんと撫でる。
夢主
五条くん…今日、夏油くんに会いました
五条
五条
ッ…!!
離してくれない五条を宥めながらあなたは今日あったことの報告を口にする。
五条
五条
それで…傑はなんか言ってた?
夢主
色々言われました…私が五条くんじゃなくて夏油くんを好きになってたらこんなことにはならなかったかもしれない、とか…一緒に来てくれ、とか
抱きしめられたままだから顔は見られていないだろう。
今、私の顔はきっと酷いことになっている。
それでも五条はあなたを優しく抱きしめ続けた。
夢主
わたし、私ッ…止められませんでしたッ、追おうと思えば追うことだってできたのに!!
五条
五条
…俺も、止められなかった
いつの間にか五条の部屋に入って、ドアは閉められていた。
五条
五条
ねぇ…あなた、お前は俺から離れないでね?
五条にしては弱々しい声、その声に涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げる。


嗚呼、貴方も私と同じなのね…


顔を上げるとそこには、あなたと同じく涙を流す最強がいた。
夢主
離れません、離れてやりません…貴方は私の全てだから
そう答えてあなたは最強の頬に口付けを落とす。
五条
五条
ねぇ、ずるいよ…もぉ〜結婚しよ(真顔)?
夢主
まだ無理ですねぇ…五条くんがお誕生日を迎えたらできますね
五条
五条
じゃあ、俺が18になったら結婚してくれる?
耳を赤く染めて涙目で覗き込んでくる五条にあなたは唇を奪われる。さびしんぼう、最強2人の喧嘩によく出てきていた単語を思い出しあながち嘘じゃないなと思った。
夢主
はい、さびしんぼうの悟くんと結婚してあげます…大好きです、悟
五条
五条
マージで…ずるい/////
俺も…愛してるよあなた
嬉しいけど寂しい、そんなヘンテコな夜を二人で過ごした。



大丈夫、きっと幸せな未来が待ってる。




to be continued.

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