第2話

第2話
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2020/04/27 02:16
snr side

さっきの赤髪の子、見かけへん顔やったけど、
転校生かなんかかな?

先生「はい、お前らー、早く座れー
   今日は転校生が来てるからなー」


え、もしかして俺の勘的中?

先生「入ってこい」

そう言われてそろりと教室に入ってきたのは
紛れもなく朝見た赤髪の子だった。

顎にずらされていたマスクは
また顔を覆うように付けられていた。



『さ、坂田明、っていいます、よろしく』

坂田…。よし覚えた。
後で話しかけてみよーっと。






skt side

遅刻したことは、
学校に着くまでに少し道に迷った、と
ごまかした。

あっさりと許された。
やったw


俺の新しいクラスは〈2年B組〉。
前の学校は1組、2組、とか数字だったから
ちょっと慣れないけど、
新しい感じがしてワクワクする。




先生「入ってこい」
緊張する…。


あ、言い忘れてた。
俺がマスクを絶対に外したくない理由。

それは、
顔にコンプレックスがあるから。
小学生の時に、
クラスメイトが俺の笑った顔を見て、
「お前の笑った顔、
作り笑いにしか見えねぇんだよなぁ。
ほんとに面白い、って思ったことねぇんじゃねえの?」
とか言って、みんなからは
こいつが笑っても愛想笑いだ、とか
心から笑ったことがねぇただの抜け殻、
だのなんだの言われていた。
それからというもの、人前でマスクを外すのが
恐怖にしか思えない。

また何か言われたら…、、
友達の輪から外されたらどうしよう、って。
だから俺は誰ともつるむことをやめた。
そうしたら笑わずに済むから。


もう1つ理由がある。
それは、赤面症。
緊張したり、はずかしくなったりすると
一瞬で茹でダコみたいに顔が赤くなる。
それもコンプレックスなんやけどね。


だから、ご飯の時と、風呂、寝る時以外は
常にマスクをしてる。









新しい学校生活、とか俺は知らん。
また1人でただただ朝を迎えて
日が沈むのを待つだけやから。

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