バイトが終わって、お父さんからお給料をもらったあと。
私は部屋で天使リースの新曲を調べた。
するとすぐにその曲が出てきて、ワクワクしながらタップ。
動画を開くと、いきなりヒオルくんの歌声が流れてドキッとした。
最近の曲は前奏がないものが多い。それが流行りの傾向だってネットで聞いたことがある。
……そういえばお父さんとお母さんが好きな曲のほとんどは前奏が長い。
いやいや、そんなことは置いといて。
すっかり天使リースの歌声に聴き入った。
MVに出てくる歌詞を目で追いながら聴いて、思ったことがあった。
ありのままのお互いを認め合って、仲良く笑い合う──そんな『純愛』。
私は目立つ為にいろんなことをしてきた。
しっかり納得のいく手段なんかじゃなかったのに。
何度も自問自答して、言い訳して……間違ってないって言い聞かせてきた。
それは本当に、私が望んだ『純愛』?
これでいいのかと疑問を抱きながら過ごしてきて、結局なんの成果も得られていない。
推し。 友達。
リアコ。 病み垢。
痛バ。
ライブ。 缶バッジ。
地雷系。
ワンピース。 量産型。
歌い手。 ペンライト。 バイト。
純愛。
考えがまとまらないが、とにかくたくさんのことが蘇ってきた。
私は、どうしたい?
曲を聴きながら、考えた。
考えていたら、曲が終わっていた。
曲が終わっても、考えた。
この機会は絶対に見過ごせない、私は自分の気持ちを理解しないといけない。
それが、私のこれからの人生に関わる。青春に関わる。
時間をたくさん使って考えた。私がどうしたいのか。
結局、結論が出たのはベッドに入った頃だった。
時計の針は十二時を指していた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!