昼ご飯の時間まで飛ばします
ーー屋上ーー
過去に何か悩みがある場合も頭上雲が現れる可能性が。 と書いてある。
バレちゃった。嫌われるかな。
そっか。軽乃兄妹はこういう人達だ。
私がどんなに暴言を吐いても、嫌ったりはしない。
私が暴言を吐く時は何かあると察してくれる、信頼できるものたちだ。
ーーあなたの幼少期ーー
パシン!!!
そうして私は、いつも通っていたショッピングモールのポイントカードと、必要な物をリュックサックに詰めて出て行った。
ーー交差点ーー
風が強く吹いている。
私は帽子が飛ばないように片手で押さえた。
その時ーーーー
手に持っていたポイントカードが飛んで行った。
道の真ん中に落ちた。
このカードだけは絶対に持ってなきゃと思った私は、急いでカードを取りに行った。
カードをギュッと握りしめて戻ろうとしたら前から車が猛スピードで走ってきていた
ドーーン!!!
そして私は車に轢かれ、病院へ搬送された。
どうやら頭を強く打ったらしく、記憶がほぼなくなっていると医師に言われた。
ーー家の中ーー
お母さんが蹴ったり殴ったりしてきた。
それが何ヶ月も続き、いつしかお母さんは居なくなっていた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!