第17話

じんたん【じんたん】
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2018/02/25 21:44
テオくん
んじゃ、帰るね〜
みや
お大事にな
じんたん
うん、ばいばい
ふたりはドアを開け、

出ていった。





ふたりが帰った後の病室はすごく静かで、


寂しかった。




頭の中ではまだテオくんが笑ってる。




まだ記憶もないのに、なぜか。


じんたん
……………ねよ

そんなに眠くなかった。


だけど、することもないから俺は寝た。
















俺はまた同じ花畑にいた。



前と同じですごく綺麗だ。






だけど、


前と違うとこがあった。








テオくんがいなかった。








どこだろう?


ガラスの壁すらない。



そしたらドアを見つけた。







ガチャ







じんたん
…………うわぁ
周りが光り輝いて目を開けてられなかった。


目を開けた頃には光はもうなかった。




そこに広がっていた光景は────








テオくん
はーい!今回は俺の企画でぇす!
じんたん
はい、なんですか?
テオくん
これを使って○○をします!
じんたん
おー!パチパチパチ

ふたりがカメラに向かって喋っていた。


テオくんが企画を持ってきて、

俺が拍手をしている。





そう、




スカイピースの活動をしていた。




涙が出た。





あの頃の俺は、


こんなに笑顔だったんだ。



この頃のテオくんは、


こんなに笑顔だったんだ。





スカイピースはすごく輝いていた。


じんたん
テ、テオくっ………
俺は話しかけるのをやめた。



ここで話しかけてしまってはなにかが壊れる。



そんな気がした。

テオくん
それじゃあじんたん、俺準備してくるから待ってて
じんたん
わかった

テオくんはドアを開け、

他の部屋へと移った。




涙は止まらない。

じんたん
行きなよ、待ってる人がいるよ


顔をあげたら夢の中の俺が喋っていた。


じんたん
……………えぇ?
すごくマヌケな声が出た。
じんたん
怖がんなって!君なら出来るよ
だって俺だもん、俺が言ってるんだよ?
涙が余計に出た。

目の前がぼやけた。
じんたん
早く、行きなよ
君はもう思い出したろ?
大切な人の記憶、忘れちゃいけない想い
彼はなにもかも知ってるかのように俺に言った。





ああ、そうだ。



ずっと逃げてたんだ。






俺はテオくんが好き。大好き。




それも恋愛の好き。





その想いに気付きたくなくて逃げてきた。







嫌われるのが怖かった。

失うのを恐れていた。

壊れるのが嫌だった。




そんな気持ちで大切な人の記憶まで隠してしまった。




早く夢からさめて伝えなきゃ。











大切な人へ────

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