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第1話

わん
404
2018/04/07 20:47
 




4月、私は家の近くにある高校に入学した。

理由はやっぱり近いから。

寝起きが悪いし朝はゆっくりしてたいから、
毎日通うであろう高校は近くが良い。

近いから知り合いは多く居るだろうけど、
他の学校から来た子とも友達になれたら良いなと思う。


それにしても今日は絵に描いたような日だ。


雲ひとつない青空で桜は満開、
私の心もなんだが晴れている。

新しい制服にネクタイに靴に鞄。

新しいに囲まれててとてもうきうきする。


高校生になるのに子供っぽいなと
自分を少し笑った。


綺麗な桜だなぁと見上げながら歩いていると、


「うぇ!?」


ドンッと音がしたと思ったら私は
前のめりになっていて転びそうになる。


鼻先と地面がキッスしそうになって
目を瞑ったとき、何時まで経っても
その痛みはこなくて恐る恐る目を開けた。


鼻先と地面はキッスしてなくて、
お腹への圧迫感がある。


「わり、大丈夫?」


後ろからそう声が聞こえて振り替えると
近くに顔があってビックリして離れてしまう。



「あ、大丈夫…助けてくれてありがとう」



「いや俺が悪いからさ、怪我してない?」



「うん」と頷いて言いながら
助けてくれた人の顔をじっと見る。


すごく整ってるんだが、


そして人助け出来るとか完璧じゃない?

そうじゃない?え?この人完璧??



「俺の顔、なんかついてんの?」


首を傾げる命の恩人。

なにそれ可愛いから。

可愛いも備わってるとかもう人類殺しにきてる。


「なにもついてないよ、本当にありがとう!!
なんてお礼を言ったらいいかなぁ…」


入学初日に顔に傷なんか
作りたくなかったから
本当にありがたい。


「お前、新入生?」


「そーだよ?」


質問に素直に答えると、急に手首を捕まれた。
そしてそのまま走り出す命の恩人。


「わっ…急にどうしたの?!」


「遅刻するから走るぞ!!」


そう言って学校まで一緒に走った。

その時に気付いたが同じ学校で同じ学年。

中学の時からイケメンで噂が凄かった
渡辺君だった。

他校だから関わったことはなかったけど
とりあえずイケメンでヤバイって噂が
凄かった渡辺君。





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