姫澤「君の気持ちは……よく分かった…
でもっ…私にはっ……それがっ分からないっ!!!」
菊池「いやどっち。
分かったのかわかってねぇのかはっきりせぇ。」
佐藤「矛盾しまくってる」
姫澤「……可哀想だよね。
悪役って。ヒロインの子みたいに幸せになれない。」
中島「そうだねぇ……でもそういう子が
いてくれてるおかげでいい話になってるからね。」
姫澤「てかもうすぐで誕生日だなぁ。ふーとの。」
風翔「ふーと2月7日だよ!!」
姫澤「確か作者2月8日だよね?」
松島「去年誰からもお祝いされなくて泣いたって言ってた」←
マリ「僕はいつもファンのみんなにお祝いしてもらってるからね!」
姫澤「本当ずるいよね。
誕生日の日にファンのみんなと過ごせるなんてさぁ!!」
マリ「ふふーん!」
私も誕生日の日にLIVEやりたいなぁ。
まぁそれも叶わない夢。かな。
そう思いながらココアを飲もうと立ちあがると
ボニが足元でクルクルと回り出した。
姫澤「んー?ボニー?お散歩行きたいのー?」
そう聞くとキャンキャンと可愛い声をあげる
ボニ。
姫澤「ん。分かった。チャイも一緒に行こーね。」
そういうと短い足でてこてこと歩いてきた。
その姿が可愛くてついにやけてしまった。
佐藤「何怖い。うちのチャイそんな顔で見ないで。」
姫澤「え。ねぇ失礼すぎん?」←
カーテンをめくり外を見ると
どんより暗い。そして風も強そう。
姫澤「ボニ。チャイ。今日は散歩無し。寒い。」
そういうと分かりやすく
しゅんっとしてしっぽが下がった。
飼い主に似るって本当なんだなぁ。
こんな顔されたら行かないわけにも行かない。
部屋からダウンとカイロ。
ボニとチャイの上着をとってきて
飼い主さんに渡した。
中島「ん?ボニータ散歩行くの?」
姫澤「うん。行きたいって言うから。」
中島「そっか。俺もついてく。」
姫澤「じゃあ着せとくから上着とってきといて。」
中島「あいよー。」
佐藤「チャイ~?可愛いねー?
俺は今日ご飯作らなきゃだから行けないの。ごめんね?」
そういう勝利に怒ったのか
がるるるるるとチャイがないた。
佐藤「んーごめん~……チャイのこと大好きだよ?
嫌いになったわけじゃないんだけどなぁ……」
ボニに上着を着せると
まるで「さっさと行くわよ」とでも言ってるかのように
堂々と歩いていった。
相変わらずお嬢様なんだよなぁ……絶対健人くんのせいだ。
姫澤「チャイ~!!おいでー!行くよー!!」
そう玄関から声をかけると
しゃかしゃかと音を立てて走ってきた。
中島「ほら。チャイ。リードつけるから。」
健人くんが太ももをポンポンとすると
そこにちゃんと乗り大人しくリードをつけられるチャイ。
その光景に嫉妬したのか
ボニはそっぽをむいて
ムスッとした顔をしていた。
中島「……何。可愛いんですけど。」
姫澤「ボニは私がいるから大丈夫!!」
そう声をかけても一向に機嫌を直さないお嬢様。
これは困ったなぁ……散歩行けないよ…
姫澤「……ボニ。今日の夜ご飯何か知ってる?」
そういうとチラッとこっちを見るボニ。
姫澤「……ボニのお気に入りのドックフードだーーい!!!」
そういうと顔を上げ
またまた「さっさと行くわよ」と言い出しそうな堂々とした姿になった。
中島「よし。行くかぁ。」
ドアを開けると想像以上に寒い外。
でもチャイやボニは平気そう。
姫澤「お前らはいいよなぁ……毛があるもんなぁ……
あー寒っ。さっさと行くわよ!!!」
お嬢様の言葉を借りて
公園へとむかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。