第117話

勝ち負けなんて
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2019/12/10 10:42








姫澤「…ふーとお仕事始まるまで遊んでこよ?」










風翔「やだ。おにーちゃんと遊ぶ」










菊池「ふーとー!!グミあげるー!」










姫澤「あんま硬いのやめてね…」










菊池「分かってるから大丈夫。笑」










ふーま達が来てからいっそうテンションが高くなった風翔。










私はメンバーが来るにつれて涙がでそうになるっていうのにさ。










いいよね。ふーとはなんにも考えなくていいんだもん。










この空間。一番落ち着く場所。なはずだった。










なのに今となっては一番落ち着かない。居心地が悪い。










姫澤「…トイレ行ってくるね。ふーと?迷惑かけちゃダメだよ?」










風翔「あなたちゃうるさい!!ふーと知ってる!!」










姫澤「っ…そっか。ふーといい子だもんね。」










ふーとにさえ裏切られてしまうのか。










そんなありもしない不安がどんどん押し寄せてくる。










不安が気持ち悪さに変わり激しい吐き気目眩に襲われた。










姫澤「はぁはぁはぁはぁ……」










中島「…あなた?大丈夫?苦しくなっちゃった?」










姫澤「コクッ……」










今一番頼れて信じられるのは健人くん。










ふーとの話も私の話も聞いてくれた。ちゃんと。










中島「ゆっくりね?一緒にやろうね。

吸って〜…?スー……

吐いて〜?はぁ…」










姫澤「んっ…はぁっ…はぁっ…」










中島「大丈夫大丈夫。ゆっくりだよ。ゆっくりで大丈夫。

もっかいね。吸って〜…?」










姫澤「す〜…」










中島「はいて〜」










姫澤「はぁ…」










中島「ん。上手上手。

もっかいね。吸って〜」










姫澤「す〜…」










中島「はいて〜」










姫澤「はぁ…ありがと健人くん」










中島「んーん。大丈夫。

神北がいない時くらいは姫に触れてたいからね?笑」










姫澤「久々に聞いたよ。笑」










中島「だろうね。笑」










姫澤「トイレ行ってくんね。」










中島「ん。気をつけてね。」










姫澤「うん!」










やっぱりいつまでも健人くんは健人くんなんだ。










みんなのこと見てて一番に助けてくれて。










??「あ…ブス子。笑」










姫澤「……」










神北「もう黙ることしか出来ないんだ?情けない。笑」










姫澤「あんたを構うような暇ないから。そんだけ。」










神北「子供連れてきたんだってね。笑

もしかして隠し子?笑」










姫澤「そんなんじゃない。ただ拾っただけ。」










神北「マスコミにバレたら大変ね?笑」










姫澤「……神北の方だって大変なんじゃないの?

マスコミに" コネ入社 "なんてバレたら。笑」










神北「なんで知ってんのよ!!!」










姫澤「さぁ…?笑

私の事舐めてもらっちゃ困る。笑

あんたよりか愛嬌あるかんね。笑」










神北「また同じことしないとわかんないの…?」










そう言葉を放ちどこから出してきたのか










神北の手には前の私の血がついたカッターが握られていた。










姫澤「…仕事に支障が出ないようにして……」










神北「何?私がそんなことするとでも?

仕事に支障が出ないと意味ないじゃない。笑

それでも出ないようになんて言うなら子供に手出すわよ?」










姫澤「ふーとに…?」










神北「そう。貴方が嫌だといえばの話だけどね。

まぁあんた馬鹿だから嫌。なんて言えないでしょ。笑」










神北の言う通り。ふーとを守ると言った限り嫌なんて言えない。










ふーとより何年も生きてる。










だったらもう死んでもいい?










姫澤「……勝ち負けなんてもういいや…。

ふーとに手出さないで。」










神北「そう来なくっちゃ。笑

じゃあ私の勝ちね?笑」










腕。顔。足。外から見える所を切られ










止まることなく出てくる血。










神北「今日はこんくらい…。

じゃあまた後で。」










姫澤「っ…泣 んっはぁ泣」










さっきまでいくら痛くても我慢してた涙。










そんなのいくら我慢してもひかなくて。










??「あなたちゃだいじょぶ?!?!

あのおねーちゃん…許せないっ!!!!」










姫澤「ふ…と?なんでいるの?」










風翔「おにーちゃんにあなたちゃどこ行ったか聞いた!」










姫澤「そっ…か…。あのさ?ふーと?

お願いっ……だからっ!!

おにーちゃんでも…っいいからっ!!!

誰かっ!……呼んできてっ!!はやくっ!!!!」










風翔「……ふーと!頑張る!!!

誰か呼んでくる!!!」










姫澤「私もっ…頑張るっ!

ふーと!一緒に頑張ろっ!!!」










風翔「行ってくる!!!!

誰か〜!!いませんか〜!!!

あなたちゃが大変です〜!!!!!!!」










姫澤「名前言わなくていい!!!

とりあえず助けてくださーい!!って!!」←










風翔「たすけてくださぁあぁいっ!!!!!」










ふーと…頼んだよ?







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