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第17話

最終話
できるだけ自然に、笑いかける。

「何?神谷」

「……あー、その、付き合うってことでいいのか?俺ら」

そんな風に確認されると、やはり恥ずかしくなるもので。

「……うん。そういうことで、いいよ」

「……そうか。分かった」

……なんだろうこのやりとり。今から付き合うカップルの会話とは思えない。

世の中のカップルってもっとラブラブな感じで始まるんじゃないの……?


いやっ、別にそういうのを求めてるわけじゃないけど!!

「……か、神谷さ、そういえばなんでここに来たの?用事でもあった?」

「あー、あいつにまた園芸部の仕事頼まれてな。それで来たらお前が告白されてた」

「っそ、そっか……」

「あぁ」

沈黙が訪れる。友達から恋人になったとお互い自覚しているから、探り合いのような微妙な空気だ。

なんとなく神谷の顔を見れず、地面ばかり見てしまう。

「……まぁ、とりあえず」

神谷が首の後ろに手をやって話し出した。

「よろしくな。……あなた」

ドキンッ、と心臓が大きく跳ねる。

そういうのはずるいと思う……。

負けず嫌い精神が発動した私は、余裕なフリをして笑顔で言った。

「こちらこそ、よろしくね!征!」

「……あぁ」

神谷が私みたいに赤くなって、あー、同じ気持ちなんだな、って改めて思う。

嬉しさを抑え切れず笑ってしまう。

「……今日、一緒帰るか」

「うん!あ、園芸部のやつ手伝うよ、何するの?」

「ん、サンキュ。まず……」

神谷の隣で説明を聞きながら移動する。


――付き合ったからと、急に何かを変えようとなんてしなくていい。



今はまだ、この距離で。