無料ケータイ小説ならプリ小説 byGMO

第3話

3話
4時間目は移動教室だった。

はるちゃんと話しながら歩いていたが、私は突如、ハッと忘れ物に気付いた。

「ごめんはるちゃん、私プリント忘れた!取ってくるから先行っててー!」

「はーい」

ダッシュで逆方向へ廊下を駆け抜ける。

気付くのが早かったため、割とすぐ教室に着けた。

そして自席の引き出しを覗き込み、目的のプリントを掴み出す。

「あった!はーよかった、あの先生プリント忘れるとめんどくさいんだよなぁ」

独り言を零しながらくるりと体を扉へ向ける。その時、視界に映った『ある人』の姿に気分が急降下した。

……いたのか、こいつ。

「教室閉めるぞ。早く出ろ」

うわ命令形……。言われなくても出ますー。

「はい」

わざとそんな風に返事して、教室から出る。外で待っていた神谷が手に持っていた鍵でしっかりと施錠した。

そういやこいつ学級委員長だったな。教室の鍵閉めるのも役割の一つだっけ。お仕事お疲れ様でーす。

心の中で嫌味を言ってから、私は早足で歩き出した。神谷と並んで歩きたくなかった。


――数秒後、私は神谷の前を歩いたことを後悔することになる。