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第1話

山田君ストーリー
2,864
2018/04/02 12:12
~可愛すぎんだろっ!~

涼介side

ガチャ

涼介「…ただいま…」
「流石に寝てるかな…」

今日は、コンサートがあって家に帰るのが遅くなってしまった。

涼介「リビングの電気消えてるな…。」
「もう0時だもんな…」

そう思いながらリビングへ向かう…

ガチャ

涼介「ただいま…。」

あなたが居る気配は無かった。
けど、、

あなた『…りょ…すけ…。』

涼介「えっ?!あなた?!」

あなた『涼介…おかえり…』

涼介「えっ?!」
「あっ、うん。ただいま?」

あなた『うん、。』

涼介「居たなら返事してくれたら良かったのに(笑)」

あなた『…うん、。』
『ごめん。』

涼介「…?」

可笑しい…
いつもは、帰ってくると『おかえり~♡今日もお疲れ様~♡』って小走りで玄関に来る。
体が重かったり寝込んでいたら声だけでも聞かせてくれるのに、、
今日は、電気もつけずに部屋の隅でお気に入りのクッションを抱きしめてクッションに顔を埋めている。

涼介「…あなた?どうかしたの?」

あなた『ううん…』
『何でもない…』

涼介「でも、だったら…」
「顔だけでも見せてくれない?今日帰ってから顔を見せてくれてないけど、、」

あなた『今は、顔を見せたくないの…。』

涼介「えっと、」
「俺なんかした?」

あなた『…』

涼介「…やっぱり俺がなんかしたの?」

あなた『…涼介のせいじゃないよ。』

涼介「…」

いやいや、!
絶対今の状況はおれのせいだよな?!
俺のせいじゃないなら顔を見せることぐらいできるだろ?!

あなたside

あなた『はぁ、ツラいな…』

今日は、彼氏の涼介がコンサートを東京でするって言うから友達とコンサートに行ってきたの。
けど、、
コンサート中の彼はすごくキラキラしてて本当に絶対エースの王子様…って感じで…
なんだか、遠く感じて…。

勿論、うちわは涼介のうちわをもって入った。
席もけっこういい席で近くで見れた。
だけど、近くで見るとよく分かるの
涼介がファンの子にどんな目差しを送っているか、どんな目をしているか…
キレイな女の子を見つけると分かりやすく微笑む。
自分好みの服装や髪型で身を包んでいるファンの子を見つけると「可愛いよ」と言わんばかりな表情でお手振りをする。
けど、涼介は優しいしプロ意識が高いからあまりひいきをしない。
だから、手を振る時も誰に振ってるかは曖昧に振る。
彼の一つ一つの優しさは私を不安にさせていく。

思わず思ってしまう…

彼を自分だけのものにしたい。
彼の表情は私だけが知っていたい。

と…

あなた『私ってこんなに重かったっけ?』グスッ

そんなことを考えていた時…。

ガチャ

涼介「…ただいま…」
「流石に寝てるかな…」

涼介?!
そっか、!
今日は、東京でコンサートだったからホテルじゃないんだ…

涼介「リビングの電気消えてるな…。」
「もう0時だもんな…」

あぁ、、
涼介の事で頭がいっぱいで電気つけるの忘れてた…

ー ー ー ー ー ー 

涼介「…やっぱり俺がなんかしたの?」

あなた『…涼介のせいじゃないよ。』

涼介「…」

本当に涼介のせいじゃないの…!
だって、勝手に嫉妬してるだけ…
自分でもすごく重い子だと分かってるから…。

涼「ねぇ、あなた…」
「教えて?何があったの?」

あなた『ひかない?』

涼介「えっ?、」
「うん?」

あなた『今日ね、Hey!Say!JUMPのコンサートに友達と行ったの。』

涼介「うん。」
「知ってる。見つけたよ。」

あなた『うん。』
『それでね、』

涼介「うん、」

あなた『カッコいいなっ、って思ったの。』

涼介「ありがと//」

あなた『うん。それで、思っちゃったの。』

涼介「…?」

あなた『ファンの子への目差し、対応、すべてを見てたら思っちゃったの。』
『この表情は、この姿は私だけが知っていたいなっ、って。』

涼介「つまり、、」
「嫉妬?って事かな?」

まぁ、直球に言うとね。

あなた『…そう、。』
『ごめんね、こんなに重くて…自分でも分かってる重い子だな、って。』

涼介「…」

あなた『だから勝手に嫉妬してるだけだから涼介は悪くないよ。』
『きにしないで?』

涼介「…う~ん」
「俺は、重いとは思わないよ?」

あなた『え?』

涼介「好きな子に嫉妬してもらえてむしろ嬉しいよ?」

あなた『りょ…すけ…』

涼介「不安になんなくても大丈夫!」
「ファンの子はファンの子!でも、一番大好きで大事なのはあなただよ?」

いつだって涼介は、優しい。
今だって勝手に嫉妬してる私にそんな優しい言葉をかけてくれる。

あなた『…りょ~すけ~(泣)』

涼介「ハイハイ!(笑)」
「泣かないの!(笑)」

あなた『ふふ、ごめんなさい(笑)』

涼介「ん。」
「でもさ?」

あなた『ん?』

涼介「あなたがそこまで嫉妬してる事は分かったけどさ?」

あなた『?』

涼介「俺も一つ聞いていい?」

あなた『うん?』

涼介「始めにあなたを俺が見つけたのはコンサートが始まって20分後。」

あなた『そんなに早くに私を見つけたとは(笑)』

涼介「それで、次にあなたを見たのは5分後…。」

あなた『うん?』

涼介「お前、」
「五分間のあいだに俺のうちわから知念のうちわにしてただろ!」

あなた『?!』ギクッ

涼介「あれは、なんなんだ?なぁ?」ニヤニヤ

恐怖の笑顔とはこの事を言うんだろう。
涼介は、笑顔で私に近づいてくる。

あなた『あれは、!』
『ちがうの!』

涼介「ふーん」
「何が…違うの?」ニヤニヤ

涼介…本当に怖いよ。

実は、涼介のことを逆に嫉妬させられないかな?と軽い気持ちでうちわを知念君に変えていた。
それに、涼介も今日は私が来るの知らせてないし気づかないよね?と本当に軽い気持ちで…。

あなた『…本当に違うって!』
『私は、ふざけて知念君のを持っただけなの!』

涼介「ふーん」

あなた『だから、私が一番好きなのは涼介!』

涼介「へぇ、」
「じゃあ、証拠見せてよ?」

あなた『えっ?!』

涼介「本当に俺が一番なら俺に証拠見せてよ?」

あなた『どうやって?』

涼介「ん」

「ん」と言って涼介は私に自分の顔を近付けてきたご丁寧に目をつぶって。
一瞬何を言ってるのか?何をやりたいのか?分かんなかった。
けど、この状況をみてよく考えたら分かった。

あなた『…私からキスしろと?』

涼介「そう。」
「はーやーくー!」

意地悪な行動をしてくる涼介をみて少しだけど仕返しをしてやりたくなった。
だから…

あなた『…やだ。』

涼介「はっ?!」

あなた『やだ!』
『だって、リップ落としてないし?』

涼介「おまっ!」
「もういいよ!お前は知念のファンなんだろ!」

そう言って私に背中を向けてリビングを出ようとする涼介。
あぁー、
拗ねた(笑)
そろそろ、やめとくかな?(笑)

あなた『ちょっと、涼介!』

涼介「なんだよ!おr…チュッ
「ん?!」

あなた『一番は、涼介だよ!』
『じゃあ、お風呂に入ってくるね♪』

ガチャ

あなた『少しの意地悪大成功かな?(笑)』

ー ー ー ー ー ー 

涼介「…今のは無しだろ//」
「マジで反則!そもそも、ファンに嫉妬してる時点で反則だし、!」

涼介「本当、可愛すぎんだろっ//」

お風呂に向かった私にはこの言葉が聞こえるはずもなく…
「あの時、実は可愛すぎんだろっ!って思ったんだ」と話を聞かされたのはまた別の話…。

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