第44話

家出少女
305
2023/02/24 06:00
初めて、、、親不孝な娘になっちゃった、、。
こんなに逃げて、、なんだって言うんだろ。


そういえばかつ兄は、私のことを、今まで一度も妹だって言ったことなかったな、、。


私が血のつながらない赤の他人だから?


そもそも、いつから、、私は爆豪家の養子だったの?


赤羽は、私と小3まで会っていたと話してた。


ということは、私が、爆豪家に来たのは、少なくとも小3以降、、、。




爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、、アハハハ!!
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
天涯孤独か、、、。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
面白い、、。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
私をお腹を痛めて生んだ母も、その母と一緒にいたはずの父も、、どうせ、私のことなんて忘れてノウノウと生きてるんだろ。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、、。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
クソ。なんで、こういう日に限って、こんなに星空が綺麗なんだろ、、。
私の気持ちをあざ笑うかのように、空は雲一つない綺麗な夜空がいっぱいに広がっていた。


会いたい、、、。


ホントの家族に会いたい、、。


なんで、私は捨てられたの、、?


こんな惨めな思いをさせる親なんて最低だ。


私なんか生むんじゃないよ、。


育てる気がないなら。
会って、ぶん殴ってやりたい。





私が、養子ってことは、、、母さんは、、、


いや、光己さんは、私とかつ兄が死にかけたら、、かつ兄を助けるのかな、、。


だって、お腹を痛めて生んだ、我が子だもんな。

それで当然。

自分の子のほうが可愛いはず。





よく考えれば、わかることだった。


かつ兄の名前は、父母から1文字ずつとっているのに、


私はそうじゃない。











きっと私は、夫婦の愛によって生まれた子供じゃない。


両親にとって、いらない子供だったんだ。
『ねえママ!今日ね、逆上がりできたんだよ!』

『あら、すごいわ!ママもみたかったな~』

幼稚園からの帰り道なのか、仲良く手をつないで帰る母子の姿が目に映る。

いいな。

私が小さいときは、おそらくあんな会話を交わす人などいなかったんだろう、







私の記憶の始まりは、病室のベッドで起きたところから始まる。


目を開くと、私のことを、心配そうに覗き込む夫婦らしき人と、私と同年代くらいの男の子がいた。


『よかったわあなた!道端で倒れていたから心配したのよ!』


あなた?私の名前か、、?


この人たちは誰だ、、?なんで私の名前を知っている、、?


『父さんはもうほんとに心配でご飯も喉に通らなかったよ』


父さん?


もしかして、この人が私の父?


とすると、あとの二人は私の母と兄か弟か、、?


『ほら!勝己もお兄ちゃんなんだから何か言ってあげなさい!』


兄はかつきというんだ、、。


そうか、、。きっと私は記憶がなくなってる。


でも、それを告白すれば、この人たちは悲しむだろう。


それだったら、ちゃんと妹役を演じなければ



『だ、大丈夫だよ兄さん』
『兄さん?前までかつ兄って読んでたのに普通に読むのね~』


え?  そうだったのか


『か、かつ兄!心配しなくても、平気だよ。だからそんな暗い顔しないで』


『、、、ごめん。俺が目を離したせいで、ヴィランに襲われたんだもんな、、。』


『ヴィラン?』


『ああ。目撃した人は、白髪の男だと言っていた。まだ、そいつは捕まってねぇが、、。』


『でも、本当によかったわ。脳に異常もなかったし、軽いかすり傷で済んで。』


あのときから、私は爆豪家の娘を演じ続けてきたんだよな、、。


私が初めて爆豪家に着いたときは、自分自身が養子だって、知っていたはずだし、それを前提に、家族のみんなが接してくれていたはず。


でも、私がヴィランに襲われて以来、記憶をなくしていることを知らない家族は、私が自分を血のつながった家族であると誤解していたことを知らないのだろう。
実を言えば、うすうす、血の繋がりがないことを感じてた。


そもそも容姿も髪質も似ていないし、個性もまるで、両親のものを引き継いでいない。


よく、かつき君の友達?って聞かれたっけ。


今頃、家族は私の家出を不思議がってるはずだ。


私が、自分が養子だと知らなかったことを告白すれば、私が記憶を失っていること遠回しに自白することになる。
爆豪勝己
爆豪勝己
あなた~!
ん?気のせいか?今、かつ兄の声がしたのは、、。


ここの場所がすぐわかるはずは、、
爆豪勝己
爆豪勝己
あなた!
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、、、!!
爆豪勝己
爆豪勝己
あなた!なんで、家を抜けだすなんてまねしたんだ!
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、、、。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
なんで、、ここにいるって、わかったの、、、?
爆豪勝己
爆豪勝己
テメェ、ガキの頃から、一人になりたいときは、いつも、この空き地でうずくまってただろうが。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、、。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、、気に入ってるんだもん。かつ兄と、個性練習した場所だから、、。
爆豪勝己
爆豪勝己
、、、ここなら、俺とお前しか知らねぇ場所だ。ジジイもババアも気にしねぇで、心の内をはけるだろ、、。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、、。



落ち着けば、、かつ兄になら、話せるかもしれない、、。




爆豪(なまえ)
爆豪あなた
私、、、自分が爆豪家の養子だって、、、知らなかったの、。
爆豪勝己
爆豪勝己
、、、、ア”?
かつ兄は、藪から棒の私の発言に、戸惑いを隠せずにいる。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、、、、ごめん。今まで、ずっと、隠してきたことがあるんだ、、。
爆豪勝己
爆豪勝己
、、、。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
私がヴィランに襲われて倒れて、病院に運ばれてから、、、、それ以前の記憶がない、、んだ
爆豪勝己
爆豪勝己
っ!
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
でも、家族のみんなは、私を娘のように話してる様子だったから、記憶がないなんて、言えそうになくて、、、娘のフリを演じてきた、、、。
爆豪勝己
爆豪勝己
、、、、、
爆豪勝己
爆豪勝己
じゃあ、倒れる前に、俺がお前にしてやったことも、全部忘れたのか、、?
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、、、ごめん。
爆豪勝己
爆豪勝己
、、、、そう、、かよ、、
かつ兄は、頭を抱えて、私の前で、しゃがみこんでしまった、、。


こういうときって、なんていうのが正解?


謝罪の言葉しか頭に浮かんでこない、、。


どれだけ謝罪しても、かつ兄の心の傷は癒えないのに、、。
爆豪勝己
爆豪勝己
それ、、、どうして気づいたんだよ、、今日。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、、赤羽に言われた、、。私が爆豪家に来る前に、赤羽とあっていて、私のいとこだってことも、。
爆豪勝己
爆豪勝己
!あいつが、、お前と血、つながってんのか、、!?
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、いや、、私はもともと無戸籍の捨て子で、そんな私を赤羽のおじさんが拾ってくれたらしい。
爆豪勝己
爆豪勝己
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、、、私、、自分が何者なのか、、わかんない、、。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
どんな親に生まれて、どんな風にそだって、どんないきさつでかつ兄の妹になったのか、、!
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、やだよ!私と血がつながってる人って、地球のどこにいるかわかんないの?私が生まれた時のことを知ってる人って、私が初めて話した言葉を知ってる人って、誰も、、、いないの、、?
爆豪勝己
爆豪勝己
、、、、。るだろ、、。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、、え?
爆豪勝己
爆豪勝己
いるだろ!ここに!!
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
!?
爆豪勝己
爆豪勝己
小3のころからしか、俺は知らねぇけど、、そんときからのお前のことなら、いちばんよくしっとるわ!
爆豪勝己
爆豪勝己
いつも努力家で素直なとことか、賢いようで意外と鈍いとことか、甘いもんやると機嫌が治るとことかも全部!
爆豪勝己
爆豪勝己
血のつながりなんて、必要かよ、、。そんなん、言われなきゃわかんねぇだろ、。
爆豪勝己
爆豪勝己
お前が俺たち家族のことを、血のつながった家族だと誤解してた理由はわかってんのかよ?!
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、え、、。それは、、
爆豪勝己
爆豪勝己
俺たちが、血がつながった家族みてぇに、お前に接してたからだろ?!血がつながってなくたって、俺たちはそう接するわ!
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
爆豪勝己
爆豪勝己
お前は、もう、爆豪家の一人だろ。今がよけりゃ、過去なんざ、どうだっていいだろ!
爆豪勝己
爆豪勝己
どんだけ、過去を憎んでも、変えられねぇんだよ。変えられねぇもんで悩んで立ち止まってるより、変えれる未来を前向きに考えるほうが、よっぽどカッケーだろうが!
しゃがみこんだままだけれど、目は真っすぐ、私を見つめているかつ兄。


かつ兄の目力って、いつもすごい鋭くて感心する。


疑念を抱かせる余地を与えないほど、透き通ていて、曇りのない、目。


かつ兄にいわれると、そうなんだと思えてくる。


私の悩みが急に、馬鹿らしくなる。


それに、私の気持ちを、見透かしてるかのようにわかってくれている。


きっと、私を生んで捨てた親よりも、いや、


世界中で、一番の、


私の理解者だ。


こんなに、いい兄と巡り会えたなんて、私は幸せすぎる。


そうだ。べつに、私のおやが、わが子を捨てるような、くず野郎でも、


逆に、捨てられたおかげで、かつ兄の妹になれたし、


かつ兄から、一番近いところで、こうして守ってもらえているんだ。





爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、かつ兄に、出会えてよかった、、、。
爆豪勝己
爆豪勝己
、おう、、。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、、。
爆豪(なまえ)
爆豪あなた
、、やっぱりかつ兄が世界で一番、大好き
爆豪勝己
爆豪勝己
なっ///////!
私はしゃがみこんでいるかつ兄に思いっきり抱きついた。


わたしは捨てられた、不幸な子供じゃない。天涯孤独でもない。


見方は、ちゃんと、ここにいる。


私のことを、ずっと心配してくれて、いざていうときは、助けてくれて、安心して身を任せられる人が。





さっきまで、気味悪く思えていた星空は、今では、星々が一つ一つ輝いて、私たち兄弟を優しく包み込んでくれているように感じた。


この程度のことを、引きずっているようじゃ、プロヒーローになんて、慣れないよね、、、


かつき、、。

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