ギィー
『どうして私がこんな目に遭わなきゃなの!』
俺が扉を開けた瞬間に聞こえる叫ぶような声
俺には狂っているようにしか聞こえなかった
シ 「笑美…?」
『だっ、誰ですか…?』
シ 「俺だよ、シルク」
『え、あっあぁ、シルクさん』
『…どうかされました?』
一見純粋に聞いているようにも見えるが
内心どうして来たのかといいたそうな様子だった
シ 「なんで来たのかって、思ってる?」
『…ッ!』
シ 「もしかして図星?」
「てか、さっきなんで叫んでたの?」
『…シルクさんに関係ありますか?』
シ 「だって、あんな叫んで…あっ!」
『…見てたんですね?』
シ 「だから、関係あんだろ!」
「心配してやってんのにー」
『…心配ですか?』
『…あなたは心配する立場なんですかね、』
シ 「は?それってどういう意味だよ」
『…誰にも言ったことのない私の秘密知りたい?』
シ 「秘密?なんだよ」
『…私、笑えないの』
シ 「笑えない?」
『…そう、喋れるけど笑えないの』
シ 「なんでだよ」
『…シルクさんに教えられるのはここまで』
シ 「教えろよ」
『…じゃあ、自分で調べてみてよ』
シ 「へ?調べる?笑美って有名人?」
『…そんなんじゃないよ』
『…調べればこの髪のことも教える』
『…それじゃあ私はこれで』
そう言って彼女は何も無かったように
振り返らず屋上を出て行った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。