第28話

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2020/05/01 05:44
あなた

やっば。
足ガクガクする

友達
結構激しかったね







立て続けに乗り物に乗ると
さすがにこたえたのか
足がガクガクしていて




ちょっとなめてたなぁ……

想像以上に怖かった……

けどやっぱ楽しい
友達
ちょっと
トイレ行ってくるね!!
あなた

わかった!!
じゃあ私あのお土産屋さん
ちょっと見てくる!




友達がトイレに行っている間
目に止まったお店に入ることに。


この遊園地のキャラクターのグッズが
沢山並んでいて
全部可愛かった。



中にはペア物もあって
先生と……なんて考えたけど
先生絶対こういうのつけなさそう……




でもこれを機につけてもらうってのも
ありかな?




1人で黙々と考えていると

聞き覚えある声が近くでして
不死川先生
不死川先生
おい…
そろそろ離れろ……
女子生徒
さねみんと一緒にいたいんだもん!!




クラスの女子生徒の1人。
いつも先生に絡んでいる人。


本当に先生が好きなのか
ベッタリとくっついている。

今はその1人しか
先生の周りにいない。
他の子達はどこかへ行っているのだろう……





少し離れたところにいるし
ちょうど私の所は先生がいる所からは
死角となっていて見えていないはず……





棚からチラッと顔を出し覗いて見ると
ギュッと先生の左腕に自らの腕を
絡めていて。





その光景にギュッと胸が痛くなる。


先生もなんで離さないの?って思うけど
あの子のことだ
何回言っても離さなかったのだろう。




見ていても気が病むだけだし
とりあえず
お土産を見ることにした。




すると
女子生徒
なに!?
さねみん!!!!!!
もしかしてそれ
私にくれるの!?



そんな大声が聞こえ


すぐさまチラッと見てみると



先生には似合わないくらい
可愛らしいペアの人形を持っていて
不死川先生
不死川先生
んなわけねぇだろぉが。
いいから離れろ、暑い
女子生徒
え……
もしかしてさねみん
彼女……いるの、?






さっきの声とは違い
あからさまに低くなった声で
そう先生に言うクラスの女子は
悲しげな顔で先生の顔を覗き込んでいた
不死川先生
不死川先生
いようがいまいが
お前には関係ねぇだろうが



そう言って
女子生徒のおでこを軽く小突いた。
女子生徒
やだ!!!!!!
じゃあなにそれ、
誰にあげるの?
絶対さねみんそんなん
興味ないじゃん!!!!!!




そう言って
先生が手に持っている
ペアの人形を指さしていて
不死川先生
不死川先生
大事なヤツにやるんだよ。
女子生徒
女?
不死川先生
不死川先生
そりゃそうだろ
女子生徒
なに?誰?
不死川先生
不死川先生
そこまでお前に言う必要ねぇわ
女子生徒
彼女?




マシンガン並みの質問攻めに
先生も諦めたのか

小さく溜息をつき
女子生徒の手を引き離して
向き合うような形となり
不死川先生
不死川先生
……
好きな女にやるんだよ。
分かったか?
お前みたいなガキに興味ねぇよ




そういうと女子生徒は
なおもヤダヤダと言いながら
先生の腕をつかみブンブンと振っていた。















































……好きな人か























先生……










好きな人、いたんだ。


















……当たり前か。








キスされたからって
舞い上がってたけど





あの時は酔っ払ってたし










LINEも交換したけど




それはただ単に昔の知り合いに
会えたからってだけで。














何も期待するような事じゃなかったじゃん。








先生からしたら
妹みたいな存在だったんだ。










お前みたいなガキに興味ねぇよ








その言葉が何度も頭の中で繰り返され

泣きそうになった。





自分に向いて言われた言葉ではないけど
実質はそういう意味で。







涙をぐっとこらえ
店の外に出る
友達
あ!あなた
友達
そっち側にいたの!?
全然違うとこ探してた
あなた

ごめん!
連絡すればよかったね

友達
全然!
……どした?









顔に出てしまっていたのか
直ぐにバレてしまい
でも、今ここで
これを言ってしまう訳にはいかない
あなた

ううん!
次、あれ乗ろ!






友達も私の気持ちをくんでくれたのか
それ以上何も聞かないでいてくれた。









仕方ない。












再会の仕方がダメだった。











もっと別の出会い方が出来ればよかったのに。

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