〜 次の日 〜
教師の朝は当たり前だが
めちゃ早い。
朝が弱い俺からすれば
まじで最初は地獄だった……
ほかの先生たちはテキパキと準備している。
そろそろ俺も動かねぇと……
重い腰を上げ
教室へと向かう。
まだ眠っている体を伸ばしながら
教室のドアを開けると
誰もいないと思ってたから
マジでびっくりし
変な声が出てしまった……
そういいふにゃっと微笑んだあなた
思わずドキッとし
あなたに
先生、と面と向かって呼ばれたのは
初めてだから
照れてしまい……
何とか誤魔化そうと
首元を触っていると
そうボソッと言い
すぐに口元を手でおおっていた。
今、、なんて……?
あまりに動揺してしまい
すぐにあなたの傍まで行き
するとなぜかバッと頭を下げたので
その頭の上に手を乗っけ
わしゃわしゃっとし
…………今この顔を見られたくねぇ……
そう言うと
下げていた頭を上げやがって
俺の顔を見てくる
手で口元を隠したが
あなたにはバレているようで
そういいそっぽ向くと
フフっと笑った声が聞こえた。
あぁ、なんでこんなにも愛らしいんだろォな。
あなたはきっと
俺の気持ちなんぞ知らねぇだろうな。
ま、そんな対象として
俺の事見てないわな……。
あぁ、同い年ぐらいだったらなァ……
そんなことを考えていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。