それから少し歩くと
目的地の喫茶店辺りへと着き
そして振り返ると
運転席から軽く手を挙げている先生がいて
急いで車の近くへと行き
そして車に乗りこみ
家へと向かう。
めっちゃいい匂いするんだけど。
しかもシートふかふかだし、
距離も近いし変に緊張する……ッッ
信号で止まった時
フフっと笑った先生
そしてイタズラな顔をし
私をちらっと見る
そして目が会った瞬間
ばっと顔を逸らし
窓の外を見る
そしたらまた先生が笑っていて
私が照れるのを分かって
こうしているのか……
本当に毎回毎回
私は心臓が飛び跳ねるほど緊張してるけど
先生はそうでも無いみたいで。
まあ。
それもそうか
大人の男性だし。
それなりに経験もあるだろうし。
…………そんなの考えるのやめよう。
そしてずっと窓の外を眺めていると
いつも見ている景色が広がり
そして
私の家の車庫へと車を停め
お礼を言い
車を降りようとしたら
なかなか降りようとしない先生。
先生の顔をじっとみていると
ほんのり赤くなっていて
そういい
口元を手で覆った先生。
その仕草がたまらなく可愛くて
そして車を降り
家の中へ
すると
バタバタバタとすごい音を立てながら
お母さんがやってきて
そして中に入ると
ご飯が既に用意されていて
お父さんが目をきらきらさせながら
先生を見ていた。
まぁ、たしかに毎日見惚れてますけど、私。
凄く照れているのか
手をパタパタさせながら
顔の熱を冷ましているようで。
それでも先生は
終始笑顔で
連れてきてよかったって思った。
そして
みんな席につき
ご飯を食べようとした時
そして先生は
前に座っているお父さんとお母さんに向き
そう言って頭を下げた先生。
そう2人が言うと
今にも目から涙が溢れだしそうで
そう言って
ティッシュを渡そうとすると
いちいちリアクションが大きい両親だ
そうティッシュで目をポンポンしながら
ニコッとして言った先生
なんでお母さんが泣きそうになってるの……
お父さんまで〜
末永くって大袈裟だよ〜!!!!!!!!!!!!
お父さんとお母さんが口を揃えそういうと
ハハッと、笑った先生
今まで見た事ない無邪気な笑顔で
私まで笑顔になり
そして笑顔に包まれながら
長年会えなかった時間を埋めるように
お父さんもお母さんも
ずっと先生と話していて
お父さんもお母さんも嬉しそうで
すごく幸せな時間だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!