第39話

相川 3
2,567
2020/06/02 07:54



そしてHRも終わり
1度職員室へ戻る
相川
相川
ねぇ、実弥くん!!!!!!
ちょっとクラスの
名簿貸してくれないかな?
みんなの名前とか覚えたくて
不死川先生
不死川先生
……ん
相川
相川
ありがとッッ





実弥くんから名簿を受け取り
さっきの女の子を確認する
顔写真と共に名前が書かれている
相川
相川
え……






どこか聞き覚えのある名前。

















まだ大学生の頃に
頻りに実弥くんが言っていた名前。



相川
実弥くんって好きな人とか
いたりするの?
実弥
好きな人つーか
どうしても会いたい人はいる
相川
…へぇ〜、どんな子?
実弥
俺がまだ中学の頃
虐められてた俺の弟を助けてくれた
弟と同級生の可愛い女の子。
礼も言わずに離れたから
会いたいなぁって
相川
実弥くんが可愛いって言うなんて
よほど可愛い子なんだね〜
……名前はなんて言うの?
実弥
あなた
名前まで可愛いだろ?
相川
そんな可愛いばっか言われると
妬いちゃうんですけどぉ
実弥
なんでお前が妬くんだよ
相川
だって私実弥くんのこと好きだし〜
実弥
あー、はいはい。
分かったから
相川
またそうやって流す〜ッッ
実弥
俺はあなたと会うまで
誰とも付き合う気ねぇから
相川
ふ〜ん、あっそぉ



























この子、か。


実弥くんが昔住んでたと言っていた所と
同じところで



実弥くんが言っていた見た目で
雰囲気もそんな感じ。
相川
相川
実弥くん!!!!!!
ちょっと!!!!!!
不死川先生
不死川先生
……ん?





あえて小声で焦ったように実弥くんへと近寄る




自分のデスクで何か小テストの採点を
していたみたいで




相川
相川
この子って、もしかして……?





そう言いながら

名簿の
あなたという子の所を指す
不死川先生
不死川先生
あぁ。
覚えてたのか
相川
相川
当たり前じゃん!!!!!!
頻りにこの子のこと話してくれてたから
不死川先生
不死川先生
そうだったか?






なに、嬉しそうに微笑んでんのよ。





私の前でこんな優しい顔で微笑んだことないのに
相川
相川
良かったね。会えて
不死川先生
不死川先生
おう、ありがと
相川
相川
まぁでも
生徒と教師で出会っちゃったのが
残念だったよねぇ……
不死川先生
不死川先生
……





かまをかけてみると


デスクに向いていた目線が上がり
ゆっくりと私を見据える
不死川先生
不死川先生
お前が心配することねぇよ。

私が勘づいていて
カマをかけたのを見透かされたのか




実弥くんはじっと私を見たまま微笑み
そう言った。





小さい声だけど力強く
どこか嬉しそうに。





あえて私に教えてくれたのね。







お前は眼中にない、と。






俺にはあいつがいるから。と




















……哀れだね。



















相川
相川
そっかぁ。
分かったぁ








あんな餓鬼より私の方がいいと
思わせるだけだから……



私があなたをどれほど好きか
分からせてあげなきゃね、

プリ小説オーディオドラマ