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余命宣告された少女
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第27話

生きたい
翌日
その日の前日

〜ラウンドにて
藤川一男
なんか藍沢、朝からバタバタしてるな。
白石恵
今日は脳外でオペが2つあるんだって。
緋山美帆子
昨日も当直で泊まりでしょ。
よくやるわ、ほんと。
白石恵
うん。
緋山美帆子
藤川、変わってやんなよ。
藤川一男
俺、脳外は無理だよー。専門は整形外科だしさ。
冴島はるか
手伝いくらいしたらどうですか?
藤川一男
俺だけ責めるね、みんなして。
〜午後
白石恵
藍沢先生、大変そうだからあなたちゃんのエコー私がしてくるね。
緋山美帆子
白石も今、オペ終わったとこでしょ?
白石恵
うん、まぁ。
緋山美帆子
私、行くって。
白石恵
大丈夫。じゃ行ってくる。
緋山美帆子
わかったよ。
白石恵
あなたちゃんエコーさせてね。
あなた
…あー、はい。…ふぅ。
白石恵
藍沢先生、オペだから。今日は私で我慢してね。
あなた
…我慢だなんて…そんな。先生達…みんな…忙しいのに…すいません。
白石恵
何言ってるの。そんな事、あなたちゃんが思わなくていいの!
あなた
はい…。
白石恵
…うん、終わったよ。
あなた
はぁ…あ、ありがとうございます…。
ちょっと…寝ます。
白石恵
何かあったら呼んでね。
あなた
はい…。
〜夕方
藍沢耕作
ふぅ…。
白石恵
藍沢先生お疲れ様。一段落した?
藍沢耕作
あぁ。2人とも命に問題はない。
白石恵
藍沢先生忙しそうだったから、あなたちゃんのエコーしといた。
藍沢耕作
すまないな。
白石恵
ううん。
藍沢耕作
どうだった?
白石恵
やっぱり前より進んでる。心臓の動きが弱ってて体に酸素が上手く回ってないから話すのも大変そうだった。
藍沢耕作
そうか。ちょっと様子見てくる。
藍沢耕作
あなた
…藍沢先生?
藍沢耕作
あ、あぁ。
あなた
オペは…終わった?
藍沢耕作
終わった。
あなた
お疲れ様。
藍沢耕作
あぁ。
藍沢耕作
今、話すのも苦しいか?
あなた
うん…少しね。
藍沢耕作
そうか。
あなた
ねぇ…藍沢先生。前から…聞きたい事が…あったの。
藍沢耕作
なんだ?
あなた
藍沢先生は…どうして…医者に…なったの。
藍沢耕作
…話さなくていい。ただ聞いててくれ。
あなた
藍沢耕作
俺には両親がいない。育ててくれた祖母も2年前に死んだ。俺はずっと孤独だった。だからこれからも一生、孤独だと思ってた。1人で生きていこう。そう思ったから医者になった。
藍沢耕作
人を救いたいとか人のためになる仕事をしたいとかそんな事少しも思ってなかった。でも医者になって10年経って思ってる。人の命を救いたい。人の人生の時間を少しでも長くしてやりたい。
藍沢耕作
そう思ったのは、仲間がいたから。協力してきたわけじゃない。励ましあってきたわけじゃない。ただ側にいてくれた。辛い時、必ず誰かが側にいてくれた。
藍沢耕作
俺はその時、仲間の温もりを知ったんだ。こんなにも暖かいものを知ることができた。医者になってよかったって思う。
藍沢耕作
だから君のことも救いたかった。俺にその技術がない。それがこんなにも悔しいんだ。
あなた
…そんなこと…言われたら…生きたくなっちゃうよ…先生。死ぬのが…怖くて…たまらなくなっちゃうよ。
藍沢耕作
すまない。
あなた
藍沢先生…私の…願い…覚えてる?
藍沢耕作
あぁ。
あなた
…忘れないでね。
藍沢耕作
忘れるわけないだろ。
あなた
…うん。
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