バタン〜医局にて
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緋山先生へ
この手紙は私の遺書ではありません。ただ感謝の想いを言葉にしたかったので、緋山先生に手紙を書こうと思います。
緋山先生はいつも点滴を変えたりしてくれて痛い事が嫌いな私でも緋山先生の治療は全然痛くなかったです。やっぱりすごいなぁって心から思いました。
勉強を教えてくれた事もありましたよね。私は理解力がないのに私が分かるまでとことん付き合ってくれて…。忙しいのに悪い事をしたなってちょっと反省してます。でも緋山先生と勉強する時間は痛みもあまり感じなくて、すごく楽しかった…。勉強が楽しいって思えたのは緋山先生のおかげかもしれません。
前に私が今をちゃんと生きたい、普通の女子高生として生きたいって言った時、緋山先生言ってくれたよね。頼ればいい、そんなに強くなくていいって。私はやっぱりどうしても意地を張っちゃってて。だから緋山先生の言葉がすごく私を楽にしてくれました。
緋山先生、支えてくれてありがとう。
堀部あなた
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!