『それは驚くよね笑僕も知った時は驚いたんだよ笑』
『話に戻るけど僕達は二つの世界で生きてるんだ。そして僕がこの真相を知ったのは去年のこの日なんだ』
『君も知ってると思うけど僕、小さい頃から病弱で、よく高熱を出して何日も目を覚まさないことがあるんだ。』
あ、、、私と同じ症状になってる、
『でもそれには意味があったんだ。』
『簡単にその意味を説明すると僕が高熱を出した回数=僕が二つの世界を行き来した回数なんだ。』
『行き来している間体を乗っ取られてる方の魂はずっと世界をさまよってるんだ。』
『肉体は向こうの世界の僕がこちらの世界に来ようとすると向こうの世界の僕は高熱を出してこっちの世界に魂が来ている分だけ寝込む』
『逆にこっちの世界の僕が向こうに行くとこっちの世界にある僕の肉体は高熱を出して数日間寝込む』
『そしてもうひとつの世界の僕は少し他の人とは違って僕の存在を知っている。』
『だからもうひとつの世界への行き方も知っているから頻繁に僕は行き来しているんだ。』
『でも頻繁に行き来しているともうひとつの世界に戻れなくなるんだ。』
『話が長くなって分かりずらいかもしれないけど簡潔に僕が去年舞踏会に来れなかった理由を言うと、』
『こっちの世界の僕が戻って来られなくなったんだ』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!