第5話

傷つけたのは僕のせい
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2019/01/14 00:18






帰り道
私は有岡さんと家まで向かう
帰り道の途中のコンビニ
有岡さんがちょっとよっていい?って言うからコンビニによった
とくに用もない私は外で有岡さんを待つ



……………………ん、この匂い…
嗅いだことのある匂いに嫌な記憶が掘り起こされた
有 岡 大 貴
有 岡 大 貴
あなたちゃん、おまたせ!



私は怖さと嫌な気持ちでいっぱいになって走り出した
有 岡 大 貴
有 岡 大 貴
ちょっ、あなたちゃん!!


とにかく必死で有岡さんの声も聞こえなくて
必死で家まで走った
あ な た
あ な た
はぁはぁ…

久しぶりにあんなに走ったから家の前の階段で限界を超え、倒れ込んだ
それに気付いたのか、玄関が開いて
お兄ちゃんが出てきた
山 田 涼 介
山 田 涼 介
あなた?どーした?
あ な た
あ な た
はぁはぁ…

息切れと気持ち悪さで声が出ないことを
わかってくれたのか、優しく手を差し伸べて支えてくれて
山 田 涼 介
山 田 涼 介
とりあえず入りな?
有 岡 大 貴
有 岡 大 貴
あ、あの!
山 田 涼 介
山 田 涼 介
君は?
有 岡 大 貴
有 岡 大 貴
あなたちゃん大丈夫なんですか…!俺のせいで…
山 田 涼 介
山 田 涼 介
落ち着いて、
山 田 涼 介
山 田 涼 介
とりあえず上がって?
山 田 涼 介
山 田 涼 介
わけを説明して?
有 岡 大 貴
有 岡 大 貴
はい…

私はソファに座ってお兄ちゃんを待ちながら
息を整えようとする
けど、あの記憶が頭から離れなくて
胸がぎゅっと引き締まる
有 岡 大 貴
有 岡 大 貴
お邪魔します…
あ な た
あ な た
あ、有岡さん…
山 田 涼 介
山 田 涼 介
こずえ、落ち着いて…大丈夫
まだ上手く呼吸が出来ないのがわかったのか
お兄ちゃんはゆっくり息を吸ってと背中を優しくさすりながら言ってくれた
山 田 涼 介
山 田 涼 介
落ち着いた?もう大丈夫か?
あ な た
あ な た
うん…ありがと…
山 田 涼 介
山 田 涼 介
じゃあ、何があったか教えてくれるかな…
有岡さんは、さっきあった出来事を全部話した。それを聞いて頷いたお兄ちゃんは「君が嫌だったから逃げ出したとか?」って言った
そしたら有岡さんはしゅんとした顔で
「やっぱ、男が苦手な人に近づきたいと願うのはダメなのかな」って言うから、私は必死で答えた
あ な た
あ な た
お兄ちゃん、私が悪いの…有岡さんは、
そう答えるとお兄ちゃんは真剣な顔をして
「何があった?」と聞いてくれた
あ な た
あ な た
コンビニでたばこの匂いがして、それであの人との記憶がふわふわと浮き上がってきて………怖くなって嫌になって……………忘れたくて……気付いたら走り出してた…
それを聞き終えると大丈夫大丈夫って優しく体を包んでくれる
落ち着いた私は眠りについた。
山 田 涼 介
山 田 涼 介
あなたさ男が苦手なの……
有 岡 大 貴
有 岡 大 貴
はい、
山 田 涼 介
山 田 涼 介
具体的な事は聞いてない?
有 岡 大 貴
有 岡 大 貴
……はい
山 田 涼 介
山 田 涼 介
だよね…
あなたちゃんの上に布団をかけながらお兄さんはこんなことを言葉にした
山 田 涼 介
山 田 涼 介
あんま言うことじゃないんだけどさ
山 田 涼 介
山 田 涼 介
こいつ、もともと付き合ってた奴がいてさ
山 田 涼 介
山 田 涼 介
最初の時はちょー幸せそうに帰ってきたんだけど
山 田 涼 介
山 田 涼 介
何日か経ってから、必ず1つは傷やあざをつけて帰ってくるようになって
山 田 涼 介
山 田 涼 介
これ、どーしたの?って聞いてもなんにもない大丈夫とか。ちょっと転んじゃったとか
山 田 涼 介
山 田 涼 介
転んで出来るような傷じゃねーのに
いつもいつもそー言って誤魔化して
山 田 涼 介
山 田 涼 介
その事が原因で男が怖いって思うようになったんだ


有岡くんはすーっと涙を流した。
山 田 涼 介
山 田 涼 介
なんで泣いてるの笑
有 岡 大 貴
有 岡 大 貴
すいません…笑
僕、あなたちゃんが好きなんです…
いま無理なのはわかってます
でも、あなたちゃんを守ってあげたいんです。
山 田 涼 介
山 田 涼 介
あなたはいい人に出会ったね
これからも守ってあげてね…
まだ怖いって気持ちを持ってると思うから
いつかその気持ちもなくなるぐらい幸せになってくれたら俺は嬉しいよ
有 岡 大 貴
有 岡 大 貴
頑張ります。俺が幸せにしてみせます


私が目を覚ました時には、有岡さんはいなくてお兄ちゃんは、私の傍で笑って「良かったね」って。何があったのって聞いても、なんにもないよって教えてくれそうになくて。

あなたはいい人に出会ったねって頭なでなでして。にこって笑った。

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