結局、午前中の授業は
まともに受けられなかった
まさか、これが噂の伊野尾先輩か
でもここで着いて行ったら何をされるかわからない。だからって無視するわけにもいかない…
手首を強く掴んで教室から引き出された。
離してほしくても、力が強くて離せない
そのまま連れてこられたのは保健室
先生は出張でいないから
今はこの部屋でふたりきりってクスクス笑う先輩
後少しで唇がつきそうな距離で
保健室の扉が勢いよく開いた
有岡さんは一瞬、今まで見たことない
男の顔をした。
噂の伊野尾先輩は保健室を出て行った
良かったってニコッて笑って頭を撫でる。
どーして…なんでこんなに優しくしてくれるの…私は優しく出来ないのに…どうして…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。