ジョンイナと約束してから私達はできるだけ近い距離で話すようにした。
HRギリギリの時間になってボムギュが教室に駆け込んでくる。
息を整えながらボムギュが私を見る。
言い訳が思いつかずどもる私を庇うようにさらっとジョンイナは嘘をついた。
はぁ、、とボムギュはため息をついて席についた。、、、とりあえずごまかせた?
それにしても私はここまで違和感なく嘘をつける人を初めて見たよ。ジョンイナすごいな!
耳元でジョンイナが囁いてくる。ジョンイナも嘘をついたことに抵抗があったらしい。
大丈夫だよ、と返したところで先生が来たので私達は話をやめて席に戻った。
ボムギュが私達をじっと見つめているのにも気づかずに。
その後の時間もボムギュが珍しく話しかけてきたけど
ジョンイナが遮るようにして声をかけたきたので作戦を実行するため
ボムギュに断りを入れてジョンイナのそばで一日を過ごした。割と手応えがある。
これならイケるかも!!と私が1人で喜んでいるとまたジョンイナが来る。
意外なお誘いに素っ頓狂な声を出してしまう。
作戦のためと言われたら断れない。私はボムギュに今日は別に帰ろうと伝えに席まで行く。
いつも以上に愛想のない声に早速効果が出てきたと内心喜んでいると。
心底苦しそうな顔で断るとボムギュは目を大きく見開き長いまつ毛を伏せて言った。
それだけ言うとボムギュはぷいっと窓の方を向いてしまった。
HRを終えるとボムギュは真っ先に教室を飛び出していった。
私はジョンイナとカフェに寄ってから帰ることにした。
隣を歩いてるのがボムギュじゃなくてジョンイナだから
若干緊張したけど、思った以上に楽しかった。
ちゃんと家の前まで送ってくれたし車道側を私に歩かせるなんてことはなかった。
ボムギュもしてくれていたことだけどさすが親友同士、似るんだなぁと感心した。
翌日も一緒に登校することを約束してジョンイナと別れた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!