『じ……みな……』
🐥「あなた……」
じみな は私の所へとゆっくりと近づく。
そして、私と目が合うと
🐥「無事で良かった……」
なんて言って力なくわたしのかたにもたれた。
🐥「立てる?」
” うん ” と言おうとしても足が言うことを聞かない。
🐥「立てないなら 乗って」
そう言って おんぶ する体勢になる じみな。
『いやいやいやいや!!重いから!!』
🐥「いいから乗って」
なんだかその圧に押されて私は黙っておんぶされていた。
しばらく じみな の背中に揺られながら 学校を見渡す。
『ねぇ じみな』
🐥「ん?」
『重たいでしょ……やっぱり……』
🐥「ん〜、めっちゃ重い!!笑笑」
『………おろして!!笑笑』
🐥「冗談だって笑笑 軽いし笑笑」
『じみなって 私の事ほんとに好きなの?』
🐥「好きだからこうしてる。」
🐥「だから何も心配すんな 馬鹿笑」
そういう じみなの笑顔は
今まで見てきた中で 1番かっこよく感じた。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。