ゆんぎ story.
🐭「う”ッ………」
俺は ばたん という大きな音と共に階段から無残に落ちた。
奥の方では 俺が落ちてから笑う声が聞こえた。
これは紛れもなく あいつ だ。
あいつしかいない。
🐭「じょん……ぐく……」
🐰「ふふっ笑笑」
🐰「どうですか?気分は笑笑」
🐭「お前ッ……」
喋ろうとしても力が入らないで 上手く話せない。
🐰「あなたさん、すごく暗い場所でずっと放置されていたみたいです……」
🐰「可哀想に……僕のあなたさん……」
🐭「な……んで……あなたが……」
🐰「うるさいッ!!」
そう言って叫ぶ じょんぐく。
こいつはいったい俺に何が言いたいのか。
🐰「全部お前が悪いんだ!!お前が!!お前がいるから!!」
🐰「俺が好きな人は一生俺の場所には来てくれない!! どれだけ好きでもお前がいる限り!!」
🐭「そ……んなに……好きなのかよ………」
🐰「えぇ、好きです、大好きです、愛してるんです!!気づけば僕の写真のフォルダはあなたさんでいっぱいで、毎日学校で見てても それでも足りないくらい!!」
🐭「……………」
🐰「あなたさんが味わった気持ちはお前なんかよりも もっと深い!!」
🐭「………ははッ」
🐭「愛されてんだなぁ……」
俺がこの時思っていたのは 体の痛み。
でも、それから今になって考えてみたらそれだけではない。
俺は1人になった病室で呟いた。
🐭「人の好きな人って……」
” 無性に欲しくなる ” ___ .
ゆんぎ story end.
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!